パナマと台湾国交断絶、中国当局が背後で金銭誘惑

2017年06月17日 07時00分

 中米のパナマは13日に、中国本土と国交を樹立し、100年以上に渡り外交関係を築いてきた台湾との断交を発表した。台湾政府も同日、「怒りと遺憾の意」を表明し、パナマとの国交を断つことを明らかにした。中国当局が、中国共産党に強硬的な姿勢を示す台湾蔡英文政権を国際的に孤立させるために、台湾と外交関係を持つ国に対して、投資・貿易利益で働きかけたとみられる。

 パナマのフアン・カルロス・バレーラ大統領は現地時間12日夜に行われたテレビ演説で、中国当局が主張する「一つの中国」考えを支持し、(中国当局との国交樹立で)今後投資や雇用を含む各方面での潜在力を掘り起こしていくと述べた。

 また、パナマのサインマロ副大統領兼外相は同日、中国外務部の王毅部長と北京で国交樹立に関する共同声明に署名した。これによって、台湾の友好国の数は20カ国まで減った。

パナマは重要か?

 パナマは中華民国と107年の長い国交歴史を持つ国で、台湾と外交関係を結ぶすべての国の中で経済的に最も実力がある国だ。

 03年、パナマと台湾が署名した「自由貿易協定(FTA)」は台湾にとってはじめてのFTAとなる。また14年7月、両国の友好関係を安定させる目的で、馬英九前総統はフアン・カルロス・バレラ氏の大統領就任式に参列した。

 蔡英文総統は就任後初の外遊先として、16年6月にパナマを訪問し、パナマ運河拡張工事竣工式に出席した。台湾当局がパナマとの友好関係を重要視していることを示した。

2016年に初の外遊先としてパナマを訪問した台湾の蔡総統と、同国フアン・カルロス・バレラ大統領(GettyImages)

 しかし、今年1月に蔡総統がホンジュラスやニカラグアなど中米諸国を訪問した際、パナマに訪れなかった。これに対して、一部のメディアや関係者が両国の外交関係に亀裂が入ったと推測した。

 パナマとの断交は台湾にとって、外交的に大きな損失となった。

パナマと中国当局の外交関係はいつから?

 英BBC放送によると、64年にパナマでの反米運動が激化し、一部の学生が米国領パナマ運河地域でパナマ国旗を揚げようとしたため、米国当局が発砲し20人以上が死亡した事件が発生した後、当時の中国共産党最高指導者の毛沢東が、パナマ側を支持する大規模な集会を開催するよう指示した。毛がパナマへの接近を企む様子が浮かび上がった。

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