独占インタービュー

大学を追われた研究者が語る 中国共産党「土地改革」の暗部

2017年09月30日 07時00分

 重慶師範大学渉外商貿易学院の譚松教授が、大学から突然解雇された。譚氏が中国共産党の隠された歴史を研究対象にしたことが原因とみられる。

 譚氏は、太子党(親が党幹部)という身分でもあり、同大学で助教授職に最年少で就任した研究者だ。しかし、今年7月夏休み中に突然解任を通告された。大学側は通常の人事調整だと説明したが、同氏が大学と交わした契約によると、雇用期間は2年も残されていた。同氏の講義は学生からも好評で、解雇される理由はどこにも見当たらなかった。

重慶師範大学渉外商貿易学院の譚松教授(ネット写真)

 譚氏は大紀元の取材に対し、2つの解雇理由を挙げた。1つは「大学当局の求める『正確な路線』に沿って講義しなかったこと。つまり真実を口にしたこと」。もう一つは、中国の土地改革運動を調査したことだ。

 土地改革運動は、共産党が政権を取ってから間もなく「地主階級による土地所有制度を撤廃し、農民が土地を所有する」という名目で、1950年から1953年にかけて中国全土で推し進めた土地の略奪運動である。

 数年前、譚氏は香港中文大学で、四川省東部で行われた土地改革についての講演を行ったが、この時に中国共産党史の暗部に触れ、大きな反響を得た。だが譚氏の勤務する大学にとってはこれが大きな圧力となった。今年に入り、土地改革をテーマにした小説『軟埋』が引き起こした論争に譚氏が関与したことも、大学当局を不快にさせた。

 譚氏は、中国共産党政権の成立後の歴史的事実について、10年以上も調査を続けてきた。かつて四川省東部の長寿湖付近に住んでいた右派や、同地域で行われた土地改革、大邑県劉文彩荘園収税院の泥人形展示についての調査を行ったことでよく知られていた。だが譚氏はこれらを行ったことで、7回も職を追われ、投獄された経験もある。

「右派」の調査研究をまとめたため 「国家政権転覆罪」で投獄

 譚氏は、「私が右派の調査をするようになったのは当然の成り行きです。私はその右派の家に生まれましたから。私の父は長寿湖労働改造所で4年間も労働教育を受けさせられました。父と共に迫害を受けた人々も、そこで何十年も過ごしていました」と自身の出自を語った。

 調査にあたり、譚氏は10か月間、完全に収入の途絶えた状態で8回にわたり船をチャーターして、当時を知る人々を探し求めた。3年の月日をかけて完成した50万字もの大作『长寿湖―1957年重庆长寿湖右派采访录(長寿湖-1957年重慶長寿湖右派へのインタビュー記録)』には、綿密な聞き取り調査によって裏付けられた、当時の様子が詳細に記されている。

 だが、その見返りに譚氏が得たものは、投獄という悲劇だった。2002年7月2日、当局は譚氏が「社会暗部の資料を収集した」として、「国家政権転覆罪」を適用して同氏を39日間投獄した。

「土地改革」の調査で 人々の根深い恐怖心を実感

(China Photos/Getty Images)
関連キーワード
^