パキスタン、インド向け鉄道運行停止 カシミール問題で対抗

2019/08/09
更新: 2019/08/09

[イスラマバード/スリナガル(インド) 8日 ロイター] – パキスタン政府は8日、インドに向かう幹線鉄道の運行を停止し、国内でインド映画の上映を禁止した。カシミール地方の領有権を争うインドが北部ジャム・カシミール州の自治権を剥奪したことへのさらなる対抗措置とみられる。

パキスタンは7日には、インドの駐パキスタン大使に国外退去を要求し、近く正式任命する予定だったパキスタンの駐インド大使の赴任を取りやめると発表していた。

クレシ外相は記者会見で「パキスタンはさまざまな政治的、外交的、法的な選択肢を検討中だ」と語り、今後も対抗策を打ち出す可能性を示唆したが、軍事力行使は否定した。

国連のグテレス事務総長は、インドとパキスタンの両国に対してジャム・カシミール州の特殊な地位に影響を与えかねない措置を控えるよう要請した。

同州では8日時点でも携帯電話とインターネットなどの通信が遮断され、抗議活動防止のために少なくとも300人の政治家や分離主義者が拘束されている。最大都市スリナガルには数千人の武装警察が配置につき、学校は閉鎖、道路も封鎖されるなど厳戒態勢が敷かれたままだ。

一方、インドのモディ首相は8日、カシミール住民のための経済的な機会を拡大する方策を実施すると表明。早いうちにジャム・カシミール州議会の選挙を行う意向も示して「州の人々は彼らのリーダーを選ぶことができるだろう」と述べ、自治権を失ってインド政府の統制が強まるとの現地の懸念払拭に努めた。

Reuters
関連特集: 国際