アメリカ政治 イラン戦争後は石油制裁が不要になる可能性を示唆

トランプ氏 石油関連制裁の一部免除を表明 原油指標下落

2026/03/10
更新: 2026/03/10

トランプ米大統領は3月9日、現在進行中のイランとの紛争によって高騰している価格を抑制するため、特定の国々に対する制裁を解除する計画を発表した。

トランプ氏はフロリダ州マイアミのトランプ・ナショナル・ドーラルで開催された記者会見で、「石油価格を低く抑えたいと考えている」と述べた。トランプ氏は、現在の価格は紛争のために人為的に上昇しているとし、この紛争を「一時的な軍事行動(エクスカーション:excursion)」と呼んだ。また、エネルギー価格を沈静化させるため、米国は「特定の石油関連制裁を免除する」と語った。

「我々はいくつかの国に制裁を科しているが、事態が収束するまでそれらの制裁を解除するつもりだ」とトランプ氏は述べた。さらに、戦争が終われば制裁はもはや不要になるかもしれないとの考えを後に示した。「そうなれば、どうなるかは分からないが、制裁を再開する必要はなくなるかもしれない。多大なる平和が訪れるだろう」と大統領は付け加えた。

また、トランプ氏は3月9日にロシアのプーチン大統領と電話会談を行ったことを認めたが、ロシアに対する石油関連制裁の解除が議題に上ったかどうかについては明言を避けた。トランプ氏はイランにおける米イスラエル合同軍事作戦に触れ、「彼は目にしたものに非常に感銘を受けていた。あのような光景は誰も見たことがなかったからだ」と語った。

トランプ氏によれば、両首脳はウクライナでの戦争と中東情勢の両方について話し合ったという。「彼は協力的でありたいと考えている。私は『ウクライナ・ロシア戦争を終わらせることで、より協力的になれるはずだ。それが一番の助けになる』と伝えた。非常に良い対話ができたし、彼は極めて建設的な姿勢を見せている」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

3月6日、ベッセント米財務長官は、インドに対してロシア産原油購入のための30日間の免除を認めた後、さらなるロシア産石油への制裁緩和を検討する可能性があると述べていた。トランプ政権は以前、ロシアの戦争資金を断ち切り、ウクライナ紛争を終結させるようロシアに圧力をかけるため、ロシア産石油を輸入するインドに対して関税を引き上げていた。

ベッセント氏はフォックス・ビジネスのインタビューで、財務省が3月5日にインドへの免除発行を決定したが、これはすでに輸送中のロシア産石油の購入のみを許可するものだと説明した。また、イラン紛争中に世界が十分な石油供給を確保できるよう、米国は「他のロシア産石油の制裁を解除する可能性がある」とも述べた。

「洋上には数億バレルの制裁対象原油が存在しており、実質的にそれらの制裁を解除することで、財務省は供給を創出できる。我々はその点を検討している」とベッセント氏は語った。

2月末に米・イスラエルによる対イラン軍事作戦が開始されて以来、石油価格は急騰している。イランはイスラエルおよび湾岸諸国の米軍基地に対し、一連の報復攻撃を行っている。

米国産原油の指標であるウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は、3月9日に一時1バレル115ドル近くまで上昇したが、トランプ氏がイランとの戦争終結が近いことを示唆したことを受け、同日中に約90ドルまで下落した。

Emel Akan
エポックタイムズのホワイトハウス上級特派員、トランプ政権担当記者。 バイデン前政権とトランプ第一次政権時は経済政策を担当。以前はJPモルガンの金融部門に勤務。ジョージタウン大学で経営学の修士号を取得している。