村上F捜査報道で関連銘柄に投げ売り、市場全体への影響は限定的

2006年06月02日 15時47分
【ロイター6月2日=東京】村上世彰氏率いるM&Aコンサルティング(村上ファンド)に対し東京地検特捜部が証券取引法違反の疑いで事情聴取をしているとの報道を受け、株式市場では、松坂屋<8235.T>や阪神電気鉄道<9043.T>など関連銘柄に見切り売りが出ている。ただ一方で、株式市場全体をみれば、米国株高を背景に買い戻しや押し目買いが入り、日経平均は激しい動きながらも午後に入り堅調に推移している。

 <新興市場を中心に波乱、今後の村上ファンドの動向は不透明>

 新たに波乱材料が出てきたことを嫌気して、新興市場では、個人投資家の投げ売りが続き、東証マザーズ指数は一時1300ポイントを割り込み、年初来安値を更新した。海外勢が空売りを仕掛けている、との声も聞かれた。

 今後、約4000億円規模ともみられる「村上ファンド」資金の引き揚げがあるのか、ファンド閉鎖に至るのかなどは不透明で、捜査の行方を見守る必要があるという。

 丸和証券調査情報部部長の小林治重氏は「全体的にセリングクライマックスの局面を迎えているが、新興市場を中心とする小型株については村上ファンドの捜査報道により、引き続き波乱の展開が想定される。村上ファンドや他のファンドについて不穏な噂が流れていたため、相場がある程度予知していた部分もあるが、悪材料としては無視できない。朝方の外資系証券注文状況は大幅な売り越しで、これは、村上ファンドの捜査報道から、海外ファンド筋が売りを出しているものとも考えられる」と語った。

 新光証券エクイティストラテジストの瀬川剛氏は「すぐにファンド閉鎖に至るかどうかは不透明で、行方を見守る必要がある。ただ、ファンドへの出資者は警戒するとみられ、村上ファンドの勢いはピークアウトすることになるだろう。村上ファンドの保有銘柄には影響が出るだろう。阪神電気鉄道のTOB価格引き上げ期待もはく落することになりそうで、村上ファンド・プレミアムの消える1日になるとみている」と指摘した。

 <村上ファンド関連銘柄には投げ売りも、市場全体への影響は限定的との見方>

 新興市場では、追い証発生で個人投資家の投げ売りが続いていたところに、村上ファンドショックが重なり、朝方は一時パニック売りの状況となった。しかし一方で、米国株式市場高を好感して、主力優良株には買い戻しや押し目買いが入り、日経平均は堅調に推移している。

 金山証券商品本部長の川崎達行氏は「村上ファンド関連の個別銘柄は売られるだろう。ただ新興市場はライブドア事件の時にたたかれており、すでにかなり下げている。株式市場全体にはあまり影響しないのではないか」と述べた。

 瀬川氏も「村上ファンド・プレミアムが付いた銘柄はバリュー系の比較的地味なものが多く、全体相場への影響はそれほど大きくない」と説明した。

 丸和証券の小林氏によると「中長期的にみると、ライブドア・ショックに続き、今回、ライブドアと並んでM&A相場の象徴的な存在であった村上ファンドにもメスが入れば、アク抜けの材料になる可能性もありそうだ。ここで信用取引で買った投資家の見切り売りが活発化すれば、戻り相場への転換も想定できるようになる」という。

 日興コーディアル証券エクイティ部部長の西広市氏も「米国株高を受けた形で買い戻しや押し目買いが入っており、株価はしっかりしている。村上ファンドの運用資金が引くかどうかは、捜査の進展をみないと分からない。ただ、違法行為取り締まりで正常化していくというのはプラス面もある。思惑で上昇していた村上ファンド銘柄は売られるだろうが、株式市場全体は上昇している」と説明した。

 市場では、「今は陰の極だろう。パニック売りが出ているときは、そろそろ底打ちが近い可能性もある。ライブドア、村上ファンドといった上げ相場で活躍したところに捜査が入るということは、下落相場における象徴的な動き」(国内証券チーフディーラー)、「いったん悲観が出尽くした。目先の投げ売り出尽くしで反発している」(カブドットコム証券マーケットアナリストの山田勉氏)と、悪材料出尽くし感から底打ち反転の動きを指摘する声も出ていた。

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