イランのラリジャニ最高安全保障委員会事務局長は7日、ウラン濃縮停止に対する包括的見返り案について前向きな印象をもっていると述べる一方、早急に回答しないとの意向を示した。
国連安保理常任理事国5カ国にドイツを加えた6カ国は、7月15日の主要国(G8)首脳会議(サンクトペテルブルク・サミット)までに、包括的見返り案に対するイランの完全な回答を求めている。イラン側は、8月22日までに回答するとしている。
ラリジャニ事務局長は、マドリード訪問中記者会見し「イランの核開発問題は、対話による解決が不可能なほど複雑な問題ではない」と述べ、事態の行き詰まりという悲観的な見方をする理由はないとしながらも、回答期限の設定は双方の信頼感を損なうと指摘。「期限を設定してもらう必要はない。圧力は信頼感の欠如と懐疑心を生む」と述べた。
スペイン訪問前の6日に、ブリュッセルで欧州連合(EU)のソラナ共通外交・安全保障上級代表と夕食を共にしたことについて「非常に有意義で建設的」だったと述べた。
[ロイター7月7日=マドリード]
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