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国際投資家ジム・ロジャーズ氏。(China Photos/Getty Images)

世界二大バブル:米国国債と中国不動産

 【大紀元日本3月22日】「現在の二大バブルは、米国国債と中国郊外・沿岸の不動産」と、著名な投資家として世界で注目されているジム・ロジャーズ氏が、17日、CNBC.comの取材に応じて指摘した。

 この二点の現状はどうなっているのだろうか。

 米国国債に関しては、15日付けの「CBNニュース」「ブルームズバーグ」が同様に、中国と日本が、米国国債の売りに出たことを報道している。中国政府が米国による人民元の切り上げ要求を拒否し、米中関係がさらに張りつめている中での売りとみられる。

 同日の米国財務省の発表によると、今年1月の中国の保有額は、前月比58億ドル減の8890億ドルとなった。日本の保有額は、3億ドル減の7654億ドル。石油産油国や英国の買いが入ってはいるものの、国外需要が弱まれば、国債を返済する立場にある政府負担の利率が高騰し、米国の赤字財政の状態は一層悪化すると経済学者は見解する。中国は依然、米国国債の最大保有国であり、今後も、政治的なテコ入れとして、米国国債の売りが利用されることだろう。

 しかし、その中国自身が、米国経済に影響を与えるだけの立場にあるのだろうか。中国の不動産バブルについては、不動産価格がピークに達していることは、データをみるだけで明確だ。

 中国国家統計局によると、中国の70の大中都市の住居価格は、昨年12月に前年比7・8%上昇。北京や深圳では、不動産価格が賃貸価格の500倍、地域によっては700倍に達するところもある。国際的に受け入れられている数字は200倍から300倍だ。また、不動産価格は年間給与の20倍に達しており、妥当とされる6倍を大きく上回る。85%の国民にとってマイホームは夢となってしまった。

 不思議なことに、不動産価格はいまだに上がっている。その46・7%が地価にあたり、土地売買から得られる印税は地方政府の主な収入であり、中国金融システムの柱であることが、その理由だ。8・7%を記録したGDPの6・6%が不動産部門を占めるため、不動産バブルがはじけてしまったら、唯一の「達成」が水の泡になってしまう。

 国営の不動産企業は、 政府が何としても価格を下落させないことを知っており、投機的な買いを続け、さらに価格が上がることを見込んで、開発の計画もなく空き地にしている。

 不満を募らせる国民や、中国の動向を注視する国際社会の手前、中国政府は、価格上昇を抑制する姿勢として、中央政権とのつながりがない不動産会社を魔女狩りの標的にし始めた。5日、温首相は、「利用する目的のない土地の保有、買い占め、価格操作などの法規違反に、これまで以上に厳しく対処する」との声明を出し、その5日後、新たな土地販売規制を施行。これに従い、大都市に開発計画のない土地を所有している不動産会社は、土地譲渡許可を取り下げられた。この中には、香港の不動産開発企業China Vankeのトップであるリチャード・李氏が含まれる。中国国営メディアは名指しで李氏を批判し、あたかも1人の人間が北京の不動産価格を不当に釣り上げているかのように報道している。

 不動産価格は下げなければならないが、国家収益を減らすことはできない。経済への操作・介入を怠らない中国政権のジレンマであり、傍から見ると、何をやっているのだろうかと思わざるを得ない。

 ジム・ロジャーズ氏は、ギリシアの経済危機を内包するユーロの破綻を予測し、コモディティがこれからの投資先と見る。そして、中国の人民元は20年後、他の通貨に替わる国際通貨となると予測はするが、現在はいまだに「管理通貨」であるため、このように考えるだけでも今は「馬鹿げた話」と一蹴している。

(編集・鶴田)


 (10/03/22 11:13)  





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