THE EPOCH TIMES

江沢民起訴案件 中国「百度」で10時間の検閲解除 江沢民失脚の見方も

2010年04月03日 09時49分
 【大紀元日本4月3日】「江沢民が海外で訴訟されているんだって!」、「こんなニュースが『翻墙』(※)しなくても普通に見られるなんて信じられない」。3月31日、中国のネットユーザーは、中国の大手検索エンジン「百度」(バイドゥ、Baidu)や「捜狗」(Sogou)で、「江沢民」というキーワードを入れたところ、江沢民前総書記が法輪功迫害への加担で海外で訴訟されたニュースが検索ページに現れ、クリックしたら記事が簡単に読めることを発見した。従来ブロックされるはずの情報が検閲されずに開放されたことにネットユーザーは驚き、同情報をネットで広めるとともに、裏情報についての憶測がネット上で飛びかっている。

 海外中国語サイトが同日この情報を報道した。翌朝、再び検閲がかけられたものの、少なくとも10時間続いたこのニュースに対する中国国内での検閲停止は、単なる検索エンジン側の技術ミスなのか。一般のネットユーザーを始め中国政治問題専門家や学者などの間では、江・胡の派閥闘争が激化し、江沢民前総書記はすでに失脚したのではないかとの見方が広まっている。

 技術的ミスの可能性は薄く、意図的操作

 この現象について、中国政治研究者でコロンビア大学の政治学博士の李天笑氏は、10時間の一時的な解禁だったが、百度や捜狗の技術的ミスの可能性は薄く、意図的操作であると分析した。

 「まず、ネット警察やネットスパイがネット上いたるところにおり、技術的なミスが10時間も続くことは考えにくい。普通は、中国共産党が気に入らない記事は数分のうちに削除されるが、今回は大規模な“ミス”が長時間続いていたことになる」

 李氏は今回の解禁は厳密に計算され、意図的なものとみている。「たとえば、法輪功の内容に関しては間接的に“江沢民訴訟”の検索結果からしかリンクできない。直接法輪功について検索すると、すぐにブロックされる。グーグルの検索システムでは法輪功のような“コア”の内容についてはまだ開放されておらず、また入力時の推薦機能にもそのような手配と設計がされていない。グーグルにないものが、なぜ百度にあるのだ」と分析。

 「それに、大紀元の2篇の『百度で初めて、江沢民起訴の情報が検索できた』という報道が百度の検索トップページの結果に出たこと、つまり、これは観察、レスポンス、削除/保留のウォークフローを一通り通ったということである。中国のネット監視システムで観察とフィルターの後にこの2つの文章が残ったということであろう。しかも、“江沢民訴訟”の検索結果数が絶えず変化しており、変化の幅はその関連文章の追加数よりはるかに大きい。これはつまり、誰かが厳密に観察し、検索ルールを操作して、たとえ“ミス”があってもすぐに調整されていることを示している」

 李氏は、百度内部関係者による「クーデター」の可能性を示すと同時に、胡錦濤派の中国共産党高層からの意思伝達によるもので、江沢民派を打撃する目的であるとも指摘している。

 胡派による江沢民打倒の情報放出

 一方、中国民間の戦略学者で江沢民研究で知られる呂加平氏は、今回の事件は胡錦濤派が江沢民を打倒するための情報放出であり、江沢民前総書記は実質的にすでに倒れたとの見方を示している。

 「今年に入ってから、江沢民は姿を見せていない。彼が軟禁されている可能性は高い。五月一日は上海万博が始まるが、もしその時になってもまだ姿を見せなかったら、それは間違いなく彼が倒れたという証である」

 「今の現象というのは、江沢民の声が聞こえても姿を見せず、影響力がなお強いように見えても実際はもう倒れているのだ」と呂氏は指摘し、「このような矛盾現象から見れば、中国共産党指導部は江沢民の突然ダウンにより全国的な動乱を引き起こす可能性に配慮しているようだ。中央の指導部は、万全な準備が整うまでは、この決断を宣告しないはずだ。今は、徐々に江沢民に関する情報を解除していき、それによって江沢民がだんだんと自然に倒れていくようにしているのだ」と分析している。

 昨年12月1日、呂氏はネットで公開状を掲載し、江沢民の「二奸二仮」(身分隠ぺいと政治的詐偽)を摘発し、中国共産党中央に彼の問題を調査するよう呼びかけ、中国の政界と世論に大きな震撼を与えてきた。

 「江沢民の問題は、もう避けられない。彼を憎まない国民はいないし、彼の悪口を言わない国民もいない。今は、そのチャンスが来た。中国政局を安定させるためには、先ず江沢民の『二奸二仮』を公開しなければならないが、準備なしで突然公開してもいけない。百度と捜狗で彼に関する情報を解除したのはおそらくこういった考えに基づいた行動だろう。つまり、国民に少しずつ真相を知らせていくというわけだ」

 また、グーグルの撤退により批判を受けている中国共産党が、中国は情報検閲を緩和したという姿勢を示したものであるとの見解に、「そうなれば、中国共産党はもう中国共産党ではなくなったということだ」として、呂氏はきっぱりと否定した。

 (※)「翻墙」(ファンチャン):中国人ネットユーザーの間で流行っている言葉。「墙」とは「壁」で、「壁を乗り越える」ということ。ネット検閲ソフト「GFW」(グレート・ファイアー・ウォール)の「ウォール」(墙)から、中国当局が行っているネット検閲全般を「墙」と称し、特定なソフトを使ってそれによる検閲を突破することを、「翻墙」と呼んでいる。

(大紀元日本語翻訳編集チーム)


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