韓国哨戒艦沈没事件 中共はなぜ真相を受け入れないのか

2010/06/14 05:26
 【大紀元日本6月14日】韓国の哨戒艦「天安」号の沈没事件は世界の注目を浴びている。このほど、韓国、欧米の専門家を含む軍と民間の合同調査団は、「天安」号は北朝鮮の潜水艦の魚雷の攻撃により沈没したと発表した。

 韓国側 冷静に調査

 北朝鮮はしばしば核実験などを行って恫喝するので、今回の魚雷攻撃はそれほど意外でもない。しかし、韓国の落ち着いた対応は、人々を刮目させた。

 魚雷攻撃により、排水量1200トンの大型パトロール艦が沈み、40数人の将兵が遭難し、宣戦布告されたようなものである。しかも北朝鮮は動機を持つ唯一の対象であり、実行可能かつ類似の前科を持っている。それでも韓国は、すぐには北朝鮮の行為と限定せず、李明博大統領が述べたように、「各種の可能性を考慮し」、きわめて慎重に証拠集めの調査を行った。魚雷の部品、魚雷後部の文字のマークなどは北朝鮮のものと一致するなど重要な物証を見つけてから初めて結論を出した。その上、正式な報告を公表する前、二手に分けて中、日、ロなどの30余りの国に「天安」号事件の真相を伝えた。またその前に、李大統領はわざわざ中国へ行って中国共産党(中共)のトップに情況を通達した。

 韓国大統領が北朝鮮に対して厳しい処罰を取るよう、国際社会へ呼びかけるのも当然だろう。ホワイトハウスは声明を発表して朝鮮を厳しく非難し、そして北朝鮮への制裁方案について韓国と協議した。

 中共は「天安」号の調査結果を拒否

 韓国とは対照的に、中共当局は「天安」号の調査結果が出る前後、かなり「不機嫌」の様相を呈した。まず、李大統領が4月30日に北京での中韓首脳会談で事前の調査結果を通達した時、中共はわざと「公的な場ではない」を口実に、結果の聴取を拒絶した。後にも数回調査結果の聴取を遅らせた。

 さらに、中共はかねてからの金正日総書記に対する控えめな接待の慣例を破って、豪華な体裁と高いトーンで金正日の訪中を歓迎した。その目的は金正日を高く持ち上げることにより、李大統領に口をつぐませて、韓国と国際社会に制裁を取らないよう恫喝するためである。

 それから、中共新任の駐韓の張大使が最近韓国政党の指導者を訪ねた時、野党の指導者としか会わないようにした。「天安艦沈没事件を起こした張本人が誰だとはっきり証明する確実な証拠がないようだ」と言い、韓国の提供した証拠を否定している。

 後に、韓国政府が事前に調査結果について伝えた際に、中共の張大使はわざと出席せず、一ランク下の公使に出席させた。最後に、韓国が正式に調査報告を公表した時、中共の外交部は表面上は平静を装い、「各方面が冷静に対応し、自制し、関連する問題を適切に処理する」よう主張した。新華社は故意に北朝鮮の強硬な反応を強調し、北朝鮮が「全面的な戦争に備えている」と伝えた。

 どうして中共は「天安」号事件の真相を前にして、不機嫌や焦燥感をあらわにしたのだろうか。それは口外したくない原因があるからである。

 北朝鮮の軍事発展は中共の支援による

 その一として、中共は「天安」号事件の全体をすでに知っており、把握している可能性が強い。中共と北朝鮮の主従関係からして、召使いが何か重大な事をやる時、主人が知らないはずはないのではないか。どうして中共は韓国から結果の聴取を拒絶したのか、まったく必要がないからである。韓国は何度も中共に調査結果を通達しようとしたので、かえって知らないと装っている中共をひどく狼狽させてしまった。なぜわざと低いランクの公使を事前報告会に出席させたのか、聞くに値しないとみる半面、「物事をわきまえていない」韓国に教訓を与えようとしたためである。

 その二として、「天安」号事件でいったん中共が陰で北朝鮮を支持している真実の背景を漏らすと、中共を苦境に陥れてしまう。全世界の人は皆中共が北朝鮮の後ろ盾と大黒柱であることを知っている。北朝鮮の経済動脈は中共の手に握られ、掌握され、ハイテクな軍事技術の大半も中共に由来する。中共は北朝鮮の90%の石油、80%の日用品、45%の食糧を供給している。中共からの経済的支援があるからこそ、北朝鮮はようやく魚雷やその他の武器を含む軍事工業を発展させることができたのである。中共の支持があったからこそ、北朝鮮は韓国に対して手を下す勇気があったのである。だから、いったん「天安」号事件は北朝鮮がやったと実証できてから、初めてすべての目線が中共に集まったのである。

 ここで一つの選択として、中共は国際社会の対北朝鮮制裁に順応することである。そうすると、北朝鮮の力を弱めてしまい、つまり北朝鮮を利用して動乱を造り米国に挑戦する能力を弱めてしまう。或いは、韓国の確実な証拠の前に、もし中共と国際社会が正面衝突すれば、例えば国連の安全保障理事会で反対票を入れるならば、徹底的に自分を孤立させてしまい、中共の「中立」と「公平」の仮面を破ってしまうことになる。

 このような苦境に立たされて、中共はやむを得ず、「結果の聴取を拒否、否定する」、「高いトーンで金正日を歓迎する」、「各方面に冷静な対応を」などの方法で、「天安」号事件の影響を少なくしようとしたのである。同時に、中共は「苦肉の策」で身の潔白を装っている。たとえば「温家宝が金正日を怒らせて去らせた」ニュースを流したとか、いわゆる北朝鮮の「核融合反応に成功」に対して「厳正な態度を表明」するとかである。

 その三、「天安」号事件の真相の公開は、中共の「南も北も総なめする」策略を破壊させた。中共は朝鮮半島で北朝鮮と軍事同盟を結んでいる一方、また韓国とも「戦略的協力パートナー関係」を作っており、その目的は米韓の間に亀裂を作るのである。「天安」号事件の真相暴露で中共は真の姿を露出せざるを得ず、北朝鮮のために何かの言い逃れをし、韓国に対して圧力を加えなければならない羽目となった。中共が怒り出すのは当然ではないだろうか。新華社が故意に「北朝鮮が全面的な戦争に備えている」と強調したのは、実は他人を利用して相手を倒す策略である。

 「天安」号事件の影響は今なお広がっている。中共にとって、今回の事件は、計算し尽くしながら、かえって自業自得になった苦い体験だといえよう。

(翻訳・金本)


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