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オピニオン:頻発する中国の食品問題 社会制度に原因

 【大紀元日本5月16日】世界第2位の経済大国になっていると言われる中国だが、ここ数年に続発した食品問題で、国民がパニック状態に陥っている。児童30万人の被害者を出した有毒物質メラミンを混入した粉ミルクを始め、豚肉の餌に混ぜて食べさせると赤身が増すとされる喘息治療薬の塩酸グレンブテロールや、工場の廃棄油や下水道の汚水、残飯から再生された「地溝油」、認定されていない保存料や添加物の入った「着色饅頭」、偽酒など、食品問題は後を絶たない。

一連の事件はなぜ解決されないのだろうか?ラジオ自由アジア(RFA)は、「中国の食品安全問題」をテーマに、4月29日、社会問題に詳しい北京の人権弁護士・浦志強氏と深圳在住の時事評論家・張津郡氏を交えて、その深層を探った。以下がその内容の抄訳である。

RFA:「メラミン混入粉ミルク事件、塩酸グレンブテロール、着色饅頭、有毒米などの多発する食品事件で、中国人の飲食は脅かされています。日増しに発生する有毒食品の現状をどうご覧になりいますか?」

張津郡氏:「この問題は長期にわたって発展してきたものです。中国では質量技術監督局という国家級の監督管理機構があります。しかし、機構自体が実質の監督を行っておらず、お金を出せば合格証明書が入手できるという状態です。中国の食品安全問題は、利益に目がくらむ官僚社会の風土が生み出したものです」

実際、今年の3月中旬には、中国で検疫証明書付きの豚関連製品が300人以上の被害者を出した、中毒事件が発生している。中毒の原因となった豚肉からは、使用禁止の化学添加物ラクトパミンが検出された。

RFA:「中国は現在、世界第2位の経済大国になっていますが、多くの食品安全問題が最近、後を絶ちません。国民の生存に関わるこの問題は、中国の社会制度と関係するのでしょうか」

浦弁護士:「最近、温家宝総理は食品安全の問題について多くを指摘しています。温総理はこうして良いイメージを作ろうとしていますが、口先だけで行動が伴っておらず、私にとっては意味のないことです。

今の中国は、違法な行動にでても、コストがとても低いため、取締りや懲罰を強化しても問題解決にはならないのです。政府官僚が腐敗しているので、取締りを強化すればするほど、悪徳企業と政府間の癒着が強くなるだけなのです。

確かに(温総理は)偽タバコ、偽酒、偽食糧の問題に多く触れました。しかし偽薬、偽医者なども多く存在しているのに、どうしてこれらの問題には全く言及しなかったのでしょうか。また、(中国共産党政権が唱えている)人民民主も偽りの民主主義です。中国最大の偽物、共産党政権自体について、なぜ全く触れようとしなかったのか。ごまがしばかりで、口先だけなのです。」

RFA:「中国の一部のメディアは、食品問題について2つの原因をあげています。1つは販売企業に道徳水準がなく、利益最優先主義に走っていること。もう1つは、政府の監督管理部門における不明瞭な責任所在。懲罰は不徹底で安全法規システムは不健全だといわれていますが、食品監督管理における司法の役割に関する見解をお聞かせください」

浦弁護士:「制度の不健全として、全て結論付けられます。中国の医学者・李時珍氏が『本草綱目』を著した明の時代では、厳しい食品と薬品の監督管理はありませんでしたが、社会全体で、誠実さと信用が厳しく求められていました。しかし、現在の中国では、食品、医薬品の問題だけではなくて、利益をむさぼるためにニセモノが氾濫し、偽りを言う事件が頻発しています。真剣に改革を挑もうとする社会がなければ、政府の検査側と企業側が癒着する状況は今後はびこる一方でしょう」

張氏:「制度問題について、今の中国には政府と民間が2極端の存在になっており、その中間のけん制的なものがないのです。政府は全てのメディア、検査法規、衛生、品質検査、食品、医薬品の監督管理などに管理機構を敷いて、中央から制御しています。実質上、専制制度が今の現状をもたらしたと言っても過言ではありません。政府幹部は、個人的な利益を最大化にしたいという欲望を抱いており、企業はこの欲望に狙いを定め、幹部を満足させます。ですから、これらの管理機構が飾り物になることは必然的なことです。また、メディアも政府の管轄下にあり、かなりの事実を報道しないため、民衆は真実がつかめない状態に置かれています。これが中国の現実です」

(翻訳編集・余靜)

 (11/05/16 08:45)  





■キーワード
食品安全  メラミン  地溝油  塩酸クレンブテロール  着色饅頭  


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