THE EPOCH TIMES

中国から不透明な投資 独メディア「目的に警戒せよ」

2011年09月15日 08時10分
 【大紀元日本9月15日】世界一の外貨準備高を有する中国は、債務危機に直面するイタリア政府に、イタリア国債の購入を打診している。英紙フィナンシャル・タイムズによると、中国の国有投資会社「中国投資」の楼継偉会長が先週、代表団を率いてローマを訪れ、イタリアのトレモンティ経済・財務相と会談を行い、イタリアの国債購入やイタリアの会社への投資について討論したという。

 中国の欧州における投資が広まっている。最近、中国のビジネスマン・黄怒波氏が約1億ドルを投じてアイスランドの300平方キロメートルの土地購入契約を交わしたと伝えられ、話題となっている。ドイツ国際放送局ドイチェ・ヴェレは9月12日、中国政府の欧州における戦略的投資に警鐘を鳴らした。

 同報道は、欧州における中国政府の投資の運営方式と規模は非常に不透明であると指摘、軍事戦略の目的ではないかと疑問を呈している。また、欧州諸国の中国政府との接し方について、完全に経済利益を最重要視していると非難、中国投資の浸透に警戒するよう呼びかけた。

 ドイチェ・ヴェレは、中国政府はすでに欧州連合諸国の国債の主要な買手となっており、だれもその総額を把握できていないと報じた。一方、欧州理事会外交関係研究所の統計では、中国政府の外貨準備高の25%はユーロであるとしている。

 欧州理事会の外交関係研究所(ECFR)の中国問題専門家、リチャード・アリス氏もロイター通信の取材で懸念を示した。欧州における中国政府の投資の規模は非常に不透明だと同氏は指摘し、多くは香港あるいはケイマン諸島を経由して欧州で投資し、しかもその増加のペースは非常に速く、不透明なやり方だと説明した。

 リチャード・アリス氏はまた、欧州諸国はビジネス重視の原則で中国政府と接していると非難した。ロイター通信の評論報道は、ドイツとフランスは時々、中国の人権問題などについて不満の声を発するが、基本的には中国政府に迎合していると記した。

 軍事戦略が目的か

 アナリストは、一部の中国の投資プロジェクトは、長い目でみるとビジネスの域を超えているとの見解を示した。今年年初、中国の実業家が英国の現役引退した空母を購入しようとしたが、英国側に断られた。ウクライナの空母が中国人に買い取られたとき、賭博場などの娯楽施設に改造すると約束されたが、結局中国海軍の手に入った。一部には、中国側が軍事設備を購入した後、分解して研究するのではないかと疑う声も浮上している。

 また、中国がギリシャのピレエフスとイタリアのナポリで大型港を建設しているのも、欧州の不安を誘っている。特にナポリには、NATOも海軍基地を持っている。

 最新の報道によれば、英国情報局の元局長で、現在はロンドン国際戦略研究所に所属するナイジェル・インクスター氏は、「多くのケースを疑うのには根拠がある。一見普通のビジネス取引に見えるが、実際にはまったく違う可能性が高い」などと述べた。

 ロンドンのシンクタンク、ヘンリー・ジャクソン協会のアラン・メンドサ会長は、欧米諸国は中国政府からの投資を歓迎するあまり、長期的な影響を考えていないと述べ、「現在すでにこの問題を制御することができなくなっている。非常に憂慮すべきで、今後、その結果について集中的に検討すべきだ」と話した。

(翻訳編集・叶子)


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