印刷版   

中国鉱山大手の豪企業買収 インサイダー取引疑惑で役員資産凍結

 【大紀元日本9月15日】中国鉱山開発の漢龍集団(四川省)によるオーストラリアのバナーマン社とサンダンス社の買収においてインサイダー取引があったとして、豪証券規制当局は漢龍現地法人役員らの資産凍結と旅券没収の措置をとった。ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。

 漢龍集団は7月に、豪鉄鉱石調査・開発会社、サンダンス・リソーシズを14億4000万豪ドル(約1200億円)で完全買収する計画を発表。サンダンスはアフリカのカメルーンで傘下企業を通じて鉄鉱石開発を行っており、大きな採掘権を所有している。

 また同じ7月に、豪ウラン開発会社バナーマン・リソーシズも、漢龍による1億4300万豪ドル(約120億円)規模の買収提案を受けた。バナーマンはアフリカのナミビアで2つのウラン鉱山の大部分の権益を持っている。同社株価が福島第一原発事故を受けて下落した際に漢龍から買収案を提示されたという。

 しかし、これらの買収はいずれも「インサイダー取引の疑いがある」と豪証券投資委員会(ASIC)は12日に発表し、ニューサウスウェールズ州最高裁は漢龍の現地法人代表の肖輝(Steven Hui Xiao)氏、副代表のカルバン・朱氏と、従業員の張ファン氏の資産を凍結し、3人がオーストラリアから出国できないよう旅券没収の措置をとった。肖輝氏の妻の財産も同時に凍結されている。なお、今回取り調べの対象となった漢龍の役員らは全員中国籍で、肖氏夫妻はオーストラリアの永住権を得ている。

 このニュースを受けて13日、買収が決まった後に高騰していた両社の株価は急降下。サンダンスは19%下落し、株式の取引停止の要請に踏み切った。バナーマンは取引を継続しているが、株価は10%下落している。

 中国とオーストラリアの間では資源をめぐって昨年3月にも火花が散った。豪英資源大手リオ・ティントの上海駐在幹部ら4人が、産業スパイに当たる「商業秘密侵害罪」などに問われ、懲役7~14年の判決が言い渡された。4人は賄賂などの手段で中国の鉄鋼メーカーの機密を取得し、鉄鉱石価格をつり上げた、と中国当局は主張している。それに続く今回のオーストラリアにおける漢龍のインサイダー疑惑によって、豪中間の政治・経済関係がふたたび緊張化するものとみられる。

(翻訳編集・張凛音)


 (11/09/15 07:37)  





■キーワード
インサイダー取引  漢龍  バナーマン  サンダンス  リオ・ティント  豪中  


■関連文章
  • 元ナスダック上場の中国企業 経営陣ら、詐欺の疑いで起訴へ ウォール街に波紋 (11/05/18)
  • 「地雷原の中国」:リオ・ティント社員に懲役、外資企業に広がる危機感(10/04/03)
  • リオ・ティント社のスパイ疑惑案、来週判決へ=中国(10/03/26)
  • リオ・ティント社、中国との鉄鉱石価格交渉を中止(09/09/08)
  • 豪首相、中国を牽制: 「誰を入国させるかは我々が決める」(09/08/26)
  • 中国当局、リオ・ティント社関係者を産業スパイ容疑で逮捕(09/08/13)
  • リオ・ティント社、スパイ・賄賂容疑と中国の資源争奪戦(09/07/31)
  • 英豪系資源大手の関係者、スパイ容疑で逮捕=中国(09/07/26)
  • 株暴落で見えてきた、中国政府の集金のからくり(08/08/30)
  • 台湾の陳水扁総統の娘婿に禁固6年の判決(06/12/28)
  • 米インサイダー取引が増加、ヘッジファンドの関与拡大=NY証取(06/09/27)
  • 台湾検察、陳水扁総統の娘婿をインサイダー取引で起訴(06/07/10)
  • インサイダー容疑で村上氏を逮捕=東京地検が正式発表(06/06/05)
  • 村上氏、インサイダー取引を全面的に認める=阪神株は売却へ(06/06/05)
  • 台湾の総統府秘書長、反対派からの総統辞任要求を却下(06/06/04)