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世界黄金協会は、2012年に中国の金需要は925トンに達すると予測した。山東省青島市にある金装飾品店舗(AFP/GettyImages)

中国、世界最大の金市場に 英紙「国民が経済発展に信念失ったため」

 【大紀元日本3月9日】世界黄金協会は(World Gold Council)は2月中旬に発表した調査レポートで、中国はインドに替わって、2012年世界最大の金購入国となると予測した。その理由は中国政府が欧州債務危機および米国経済失速で中国経済が大きく打撃を受けることを避けるため、安全資産である金を大量に購入しているとされている。しかし、このほど英フィナンシャル・タイムズ紙は、中国での金需要が急速に拡大していることは、外国の人々と比べて多くの中国国民が自国の経済に高度成長を続けられるかについて、より一層懸念していることを示す、と指摘。

 2月16日付フィナンシャル・タイムズ紙は、中国の金需要の急速な拡大は中国人民銀行(中央銀行)と機関投資家と無関係で、むしろ多くの個人投資家が金を大量に買っていると示した。

 3兆1800億米ドル規模の外貨準備高を持ち、外貨準備高の運用の多元化を図ろうとする人民銀行にとっては、金を大量に購入することも1つの選択肢だ。金を購入する前に、人民銀行は国際金融市場でかなりの量の米ドル建て資産やユーロ建て資産を売却しなければならない。しかし、現在このような動きはいまだ見られない。また、中国の外貨準備高は昨年11月と12月、2カ月連続で減少しており、昨年10月~12月の第4四半期も減少した。人民銀行が金を購入できる外貨資産が減っていることを意味する。

 一方、同紙は中国国内の金の在庫は国内金融機関投資家の需要を満足させることができ、また中国の経済成長率が依然に高水準であるため、安全資金である金への投資需要は大幅には増えないとみている。機関投資家も中国の金需要を押し上げる要因ではないとの見解を示している。

 金重要の急速な拡大は個人投資家によるものだ。中国の個人投資家は現在、中国政府が認定している上海黄金取引所および上海先物取引所以外の非政府認定の取引所でも金を買う事ができる。過去2年間、多くの大都市で非政府認定取引所が急激に増えた。昨年12月28日、人民銀行、公安部および銀行業監督管理委員会(銀監会)など政府主要5部門が共同で、上海黄金取引所および上海先物取引所を除き、いかなる地方政府、機構および個人が黄金取引所を設立することを禁じると通知した。それでも、非政府認定の黄金取引所が増えているのは個人投資家が金への需要が非常に高いことを表した。

 フィナンシャル・タイムズ紙は、中国の個人投資家はインフレリスクヘッジ手段として金を買っているという理由の他に、個人投資家にとって良い投資選択肢が非常に少ないという現状も、金の購入に殺到した理由であろうと指摘した。

 現在中国の金融市場において、個人投資家が選択できる資産運用手段は、銀行での預金と、株式や不動産の投資しかない。しかし、これらの資産運用方法にある多くの問題点がある。例えば、銀行でお金を預かっても、実質金利がマイナスであること。また国内株式市場が透明さが欠けており、多くの上場企業が相次いで粉飾決算問題を報じられており、さらに不動産市場も投機的な取引が多く、現在多くの都市で不動産価格が急落しているため、個人投資家にとっては避けたい投資先であろう。したがって、金は多くの個人投資家にとって最も安心できる投資先となった。

 同紙は、一部の世論が中国が「アジアの世紀」をリードすると唱えている中、中国国内で現れた金購入ブームは、中国の人々自身がすでにその経済発展に対する信念を失っていることを示唆したのではないかとの見方を示した。

(翻訳編集・張哲)

 (12/03/09 08:54)  





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金需要  インフレ  安全資産  不動産市場  株式市場  実質金利  外貨準備高  人民銀行  


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