中国、キリスト教指導者ら50人逮捕

2005/10/22
更新: 2005/10/22

【大紀元日本10月22日】中国で当局未公認の「家庭教会」基督教指導者ら50人が20日中国警察に逮捕されたことが明らかになった。米国のキリスト教組織「中国援助協会」は、中国国民の信教の自由と基本的人権を守るために、国際社会とブッシュ大統領に対し、中国当局に圧力を掛けるよう呼びかけている。VOAラジオ局が報道した。

テキサス州にある「中国援助協会」が提供した情報によると、中国各地から集まった家庭教会の牧師などの指導者50人は20日、河北省ライスイ県の農村で集会を開いていた、午後4時ごろに中国保定市公安局の警察が突然現れ、理由もなく全員を逮捕したという。

北京の牧師・肖碧光氏は、急用のため集会に参加できなかったため、逮捕の難を逃れた。彼は「逮捕された牧師らは、貧困者や、孤児、ホームレースを援助する対策を議論するために、この集会を開いた。我々はいままで、出稼ぎ労働者や、さまざまな理由で家を失ったホームレースの人々、「1人っ子政策」に違反して生まれた家無き子供などの社会的弱者を援助し続け、同時に彼らに善良な人間になるよう神の教えを伝えている」と語った。

記者は中国保定市公安局に事実関係を電話確認したが、責任者の警官は逮捕事実を全面否定した。

逮捕された河南省の牧師・張明選氏は、1998年自転車で中国の20あまりの省や市を訪れ、キリスト教を伝教した。

2002年ブッシュ大統領が中国訪問する直前、張氏とほかのキリスト教徒が北京で開設した老人ホームが突然警察に強制的に一時閉鎖され、その後営業許可が剥奪された。

張氏の息子・張建氏は、「20日午後4時ごろに、父から『今警察が押し掛けてきた、私たちが逮捕されるかも』との緊急電話があった、電話口で警察らしき人物の怒鳴り声が聞こえ、電話が切られた」と事情説明した。張建氏は、父が逮捕されることはまったく理解できないでいる、「父は法律を遵守し、多くの人々に犯した過ちを認識させ、善良者に改心するよう伝教し続けてきた。国や国民にとっても有意義なことであり、父の行為はまったく間違っていない」と無念さを顕にした。

情報によると、張明選氏の奥さんも一緒に逮捕され、女性伝道者の戴弘氏は警察からひどい暴力を受けたという。

キリスト家庭教会を厳しく取り締まる中国当局

最近、中国当局に執行猶予つきの3年実刑判決を言い渡されたキリスト伝道者・卓涛氏の話によると、中国当局は宗教圧制をますます強めており、今年始め「宗教管理新条例」が公布された後、各種の手口で家庭教会の伝教活動を制限し、厳しく取り締まっているという。

中国法律には、身柄拘束が24時間を超える場合、拘留または逮捕に変更すると定められている。現時点で、逮捕された50人の情況はまだ知られていない。

「中国援助協会」の責任者・傅希秋牧師は、「ブッシュ大統領は11月19日、中国訪問する予定で、その直前の出来事であるだけに、偶然とは思えない。これは中国当局が計画的に国内の家庭教会を制圧するための新しい手口」と語り、国際社会とブッシュ大統領に、中国当局に対し、国民の信教の自由と基本的人権を守るよう圧力をかけるよう呼び掛けている。

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