温家宝首相、天安門事件や法輪功などの名誉回復を提案か

2012/03/28
更新: 2012/03/28

【大紀元日本3月28日】中国の温家宝首相が最高指導部の会議の席で、1989年に武力弾圧された学生民主運動「六四天安門事件」や、故胡耀邦氏と趙紫陽氏の両総書記、集団弾圧されている法輪功について、その名誉の回復を幾度も提案したという。24日、海外の中国語ニュースサイトなどが伝えている。

それによると温首相の提案は、最高指導部の保守派に反対された。中国語サイトで伝えられた内部情報によると、法輪功への名誉回復と弾圧中止に反対するのは、弾圧を発動し推し進めている中央政法委の周永康書記など、江沢民派閥のメンバーであるという。

現時点において、この情報の真偽はまだ不明である。

さらに、趙元総書記の名誉回復に反対する人は比較的多い、と伝えている。六四天安門事件当時、総書記だった趙氏は政治改革を求める同学生運動への武力弾圧を反対したため、全ての職務を解任され、2005年に亡くなるまでの15年間、軟禁されていた。同氏の名誉を回復することは六四天安門事件の再評価につながるため、弾圧を積極的に支持した江元総書記と李鵬元首相を筆頭に反対者が多い。

胡元総書記の名誉回復に反対する人は比較的少ない。最高指導部においてはその反対者の多くはすでに死去したためだ。

一説では、法輪功弾圧について、温家宝・首相はあるとき、最高指導部の会議の席で、「(弾圧という)むごいことが長年続いている。我々の政権引退は間近に迫っているが、依然この問題を解決できていない」と無念さを洩らしたという。

法輪功は、中国伝統文化の一つである気功の心身健康法。1990年代初期から中国社会で学習する人が爆発的に増え、弾圧されるまでは、愛好者は1億人に上ったと推定されている。当時の江総書記はこのことを政権への脅威と受け止めて、1999年7月に弾圧を命じた。一説では、当時、中共の最高政策決定機関である「中央中央政治局」の常務委員7人のうち、江沢民氏を除いて6人は弾圧を支持しなかったという。法輪功の公式サイトによれば、13年間に及ぶ弾圧によって3400人以上が拷問などで死亡、数十万人は投獄されているという。

江沢民派閥の主要メンバーで、今年10月の政権交代で次期政権入りの可能性が高いとされていた重慶市の共産党委員会の薄煕来書記が15日に最高指導部から解任された。その後、これまで中国国内のインターネットで厳しく情報封鎖されてきた六四天安門事件や法輪功の関連情報が、中国の大手情報検索サイト「百度」で一時検索できるようになっていた。

中国問題の専門家は、江沢民派閥にとってこれらの問題は最大の弱点であり、胡・温政権とは従来から意見が対立している、との見方がある。

 (翻訳編集・叶子)
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