スタバにサムスン 強まる外資叩き 事業拡大見合わせの企業が増加

2013/10/23
更新: 2013/10/23

【大紀元日本10月23日】中国に進出している外国企業が相次ぎ槍玉に挙げられている。中国中央テレビ(CCTV)が、米コーヒーチェーン大手スターバックスが中国での価格設定が海外より高く「暴利を貪っている」と批判した翌日、韓国サムスン電子が手がけるスマートフォンの設計に欠陥があることを指摘し、高額の修理代を非難した。

欠陥が指摘されたのはギャラクシーのNoteシリーズとSシリーズ。突然のシャットダウンや電源を入れても立ち上がらないといったクレームが多数寄せられているという。また、こうした不具合の修理代金が3万円近くかかる場合があり、「責任を消費者に転嫁している」と批判した。

習近平・李克強政権が発足した3月から、外国企業が非難の的にされることが続いている。同3月、アップルが国営メディアから猛攻撃を受けた。保証制度など中国の消費者に対するアップルのサービスが他の国に比べ劣っているとCCTVは主張し、人民日報はさらに「比類なき傲慢さ」と切り捨てた。

7月には、英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)が医師や政府関係者に賄賂を贈ったことで当局にメスを入れられ、仏ダノンやスイスのネスレなどの外資5社も粉ミルクの販売価格を不当につり上げたとして制裁金を科された。

一連の動きが外国企業の中国における事業展開の歩調を緩めさせている。米海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)22日の報道によると、在中米国企業のうち、2014年、中国での事業を拡大する意向にあるのは約半分にとどまった。米小売大手ウォルマートは17日、中国の25店舗前後を閉鎖する計画を発表し、大手百貨店のメイシーズも中国でのインターネット販売事業への参入を延期させている。

米中経済協議会(USCBC)のエリン・エニス副会長は「ますます多くの企業が中国市場に対して厳しい目を持ち始めた」と説明した。USCBCは『中国の貿易環境2013』と題する報告書をこのほど発表し、経済成長の鈍化やコストの上昇に加え、外国企業にとって不公平な競争環境や政策の不備が、米国企業の中国進出意欲を削ぎとったと分析した。

習・李政権が市場開放を掲げる一方、外国企業への取り締まりを強化していることについて、米ヘリテージ財団の上級調査研究員デレク・シザーズ氏は、楽観的と悲観的の2つの見方を紹介した。「楽観的に見れば、新指導部は本物の改革のために仕込んでいる。だが、悲観的に見れば、新指導部は民族主義者に過ぎず、改革者ではない」。シザーズ氏はさらに、後者のシナリオであれば、今後新たな改革案が出たとしても、歩幅は小さく、市場競争の公平性を妨げるものになると懸念した。

(翻訳編集・張凛音)
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