[ワシントン/ブエノスアイレス 29日 ロイター] – トランプ米政権は、米企業がアジアに構える生産拠点について、米国や中南米、カリブ地域への移転を促す新たな措置を準備している。ホワイトハウスの上級顧問、マウリシオ・クラベルカロネ氏が29日、ロイターのインタビューで明らかにした。
同措置により、米州に300億─500億ドル規模の投資を呼び戻せる可能性があるという。また、インフラ、エネルギー、輸送セクターが最初に焦点を当てる分野になる可能性があるという。
同氏は「米州への回帰」を促すイニシアチブを策定しているとし、中国に委託している一部拠点の米国への回帰のほか、中南米・カリブ地域への拠点設置が含まれるとした。
対策の規模に関する詳細には触れなかったが、米写真用品メーカー、イーストマン・コダック<KODK.N>に医薬品原材料の国内製造を促すため、政権が7億6500万ドルを融資することに言及した。
同氏によると、中南米・カリブ地域への米投資家誘致に向け、政権は以前から関連諸国と取り組んできたが、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)を受けて米企業が意欲を示しているという。企業名には言及しなかった。
同氏はパンデミックで、アジアよりも米国に近い場所にサプライヤーを持つ利点が明確になったと指摘した。
また、対策は安価な労働コストに重点を置くものではなく、7月に発効した北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)」に盛り込まれた労働者を保護する条項に基づくものになるとした。
同氏は中南米への中国の融資を巡り、透明性の改善が必要との認識も示した。とりわけエクアドルについて、債務再編に進展がなく、担保が過剰な対中債務から解放されないままとなっていると指摘した。
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