香港民主派メディア王の黎氏、辛抱強い活動訴え 過激派をけん制

2020/08/13
更新: 2020/08/13

[香港 13日 ロイター] – 香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで逮捕され、12日に保釈された香港のメディア王、黎智英(ジミー・ライ)氏は13日、ツイッターでのライブ中継で、民主主義確立のための「長い闘い」を辛抱強く続けるよう呼び掛けた。

民主派寄りの論調で知られる香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)の創業者である黎氏は10日、当局に外国勢力と結託した疑いで逮捕された。当局はまた、アップル・デイリーの事務所を家宅捜索した。

12日早くに保釈された同氏に対し、集まった多くの支持者らは「最後まで戦う」などと声を上げた。

同氏はライブ中継で支持者らに謝意を表明し、警察による家宅捜索は、広範囲な自由の確立を「酸素」のように必要としている香港市民の「信条」に反していることが支持者らの行動によって示されたと強調。

「酸素は薄くなり、われわれは窒息しつつあるが、窒息状態でもわれわれは互いの面倒を見て、抵抗し続け、法の支配と自由のための闘いを続けている」とした。

同氏は民主派の活動家は長期戦を戦う必要があると訴えた。

「過激になるべきではなく、真正面からの対決はできない」とし、「柔軟かつ革新的、そして辛抱強くあるべきで、主張を貫く必要がある」と訴えた。

同氏の逮捕以来、香港の人々は早朝から列を成してアップル・デイリーを購入するようになり、同紙を発行する黎氏のメディア企業、壱伝媒(ネクスト・デジタル)<0282.HK>の株式も買いを集め、一時は2000%超の急騰を演じた。

同氏は株価急騰は「一時的な現象」と述べて、人々に「触れない」よう促した。

Reuters
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