中国東北部の電力不足、吉林省長は石炭輸入の拡大求める

2021/09/28
更新: 2021/09/28

[上海 28日 ロイター] – 中国の工業部門集積地である東北部で電力不足が深刻化する中、供給が不十分となっている石炭の輸入を拡大するよう求める声が強まっている。

大きな打撃を受けている吉林省の韓俊省長は27日、地元の電力会社に対し、石炭供給の確保には「複数のチャンネル」を築くことが必要とし、中国はロシアやモンゴル、インドネシアからの輸入を増やすべきと述べた。また、内モンゴル自治区からの供給を確保するため、特別チームを緊急派遣したという。

メディア報道やソーシャルメディア投稿によると、東北部の電力不足では工場だけでなく、信号機や集合住宅のエレベーター、3G携帯電話ネットワークも停止。瀋陽や大連といった都市も影響を受けており、米アップルや米テスラなどグローバル企業のサプライヤーが保有する工場も停止している。

吉林など10を超える省が電力の制限を余儀なくされている。

ゴールドマン・サックスは中国の産業活動の最大44%が電力不足の影響を受けていると推計。第3・四半期の年率GDP(国内総生産)伸び率が1%ポイント低下し、第4・四半期は2%ポイント低下する可能性があるとした。

ゴールドマンは28日付のノートで、中国の今年の経済成長率予測を8.2%から7.8%に引き下げた。

中国の電力会社でつくる「中国電力企業連合会」は27日のノートで、石炭電力発電企業は現在、冬季の暖房と電力供給を確保するため「いかなる代価を払っても調達チャンネルを拡大している」と説明。中国は安全性と環境保護を維持しつつ、石炭の生産と供給を拡大する必要があるとした。

Reuters
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