中国ゲノム解析最大手のBGIグループ(華大基因)の研究者(STR/AFP via Getty Images)

中国、世界中から遺伝子データ収集中 米情報機関が警告

米国家防諜安全保障センター(NCSC)は22日に発表した報告書で、中国企業が世界中から遺伝子データを収集していると警告を発した。中国政府が世界最大のバイオデータベースを構築する一環だという。

報告書は、中国政府が人工知能(AI)、量子コンピュータ、半導体、自律移動ロボット、バイオエコノミーの関連技術などの分野で主導権を握ろうとしていると重大な懸念を示した。実現すれば、中国政府は軍事的に決定的な優勢に立つほか、米国の医療産業が中国の技術に依存してしまう恐れがある。

NCSCの幹部は、米国の産業界、学界、地方・州政府が中国資本を受け入れ、中国と提携することのリスクをしっかりと認識すべきだと助言した。中国と繋がりをもつ企業のデータは、相手に渡ってしまう可能性があると指摘した。

NCSCは米国国家情報長官室の傘下部門。

NCSCのマイケル・オーランド主任代理は、各業界や大学が依然として中国からの留学生、専門家、資金を期待していることに懸念を示した。

NCSCの新興・破壊的技術部門の幹部エドワード・ユー氏は、中国当局が世界中の医療、健康、遺伝子データを収集していると明かした。より優れた情報データベースを有する国は、未来医療の研究・開発で優位に立つと、同氏はみている。

今年7月のロイターの報道によると、中国ゲノム解析最大手のBGIグループ(華大基因)が世界中の800万人以上の妊婦が利用した同社の出生前検査「NIFTY」から得た遺伝子データを、中国軍部に提供した疑いがもたれている。

エドワード・ユー氏は、中国企業が欧米のバイオテクノロジーや製薬産業に投資・買収していることを問題視した。

同氏は、中国政府が収集したデータや技術で医療・保健分野の主導権を勝ち取れば、米国は中国依存に陥ると警告した。「彼ら(中国政府)は世界最大のバイオデータベースを構築しようとしている。一旦遺伝子データが中国に渡ったら、パスワードを変更すれば解決できるようなレベルの問題ではなくなる」

(翻訳編集・叶子)