中国国営CGTN、米国人従業員に「法輪功と距離を」要求 内部文書

2021/12/04
更新: 2021/12/04
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大紀元英語版がこのほど入手した内部文書によると、中国国営メディアの国際部門は、米支局の現地従業員に対して思想統制を行い、中国当局に弾圧されている気功グループ、法輪功学習者と距離を置くよう命令した。

「政治的な純粋さを」

中国国際テレビ(CGTN)の米支局は今年初め、従業員の行動を規範する『承諾書』を通じて、一部の従業員に対して「政治的な純粋さ(political purity)」を保つよう求めた。

『承諾書』は、「従業員は各種の違法な組織、反動的組織や『法輪功』などに参加してはならない」と定めた。同文書は法輪功を「邪教」と表現した。

法輪功は、「真・善・忍」を基に心身の健康を目指す修煉法である。中国国内にいる法輪功学習者は、20年以上にわたり、中国当局による弾圧の対象にされてきた。法輪大法情報センターによれば、数百万人の学習者が拘束、強制労働を強いられており、また数十万人が拷問を受けている。

米政府は2018年、「外国代理人登録法」に基づき、CGTNに対して登録するよう命じた。米国務省は昨年、CGTN、国営新華社通信、チャイナ・デイリー、中国国際放送(CRI)など中国国営メディア5社を外交使節団に認定し、中国共産党のために宣伝活動を積極的に行っているとの認識を示した。

CGTNの一部の米国人元従業員が中国語で書かれた『承諾書』を大紀元に提供した。元従業員らは、同社からの圧力と支配に耐えられず、今年10月末に一斉に辞職した。

『承諾書』はCGTNの中国北京市にある本部が出したものとみられる。

『承諾書』には、従業員に対するソーシャルメディアの使用制限、企業秘密漏えい禁止、飲酒運転禁止、「うわさ流布の禁止」などの内容が書かれている。

CGTNの米支局でIT技術者として勤務したジェームズさん(仮名)は、「私たちは、まるで売買契約書に署名したと感じた」と大紀元に語った。

元技術者らは、メディア業界向けのITソリューションを提供する中国成都索貝数碼科技股份有限公司(Sobey Digital Technology Co. Ltd.、以下は素貝)の仲介で、CGTNと雇用契約を結んだ。素貝は大紀元に対してコメントを拒否した。CGTNは大紀元の取材に応じなかった。

『承諾書』は、中国共産党のイデオロギーに特に重点を置いている。同文書は、従業員に対して「(共産党と)思想、認識を統一しなければならない」と求め、「各レベルの管理者」は「管轄下にある従業員へのイデオロギー教育に注力するよう」命じた。

ワシントンDCに本部を置く国際人権団体「フリーダムハウス」の中国問題専門家、サラ・クック(Sarah Cook)氏は、中国国営メディアによる思想統制に警戒しなければならないと指摘した。

同氏は、中国当局はこの思想統制の手法を外国の市民に「アウトソーシング」し、互いに監視し、互いにその行動を報告させようとしていると批判した。

ジェームズさんは今年8月に『承諾書』にサインした。当時、ジェームズさんはすでにCGTNで1年以上勤務していた。CGTNで7カ月勤務していたアルビン(仮名)さんもサインした。ほかの従業員が『承諾書』に署名したかは不明だ。CGTNから同文書に署名する理由について、説明はなかったという。

大紀元の取材に応じた元従業員は法輪功の学習者ではない。ジェームズさんらは、会社側が従業員がプライベートの時間に何をすべきか、すべきでないかを決めていたことに関して、強い反感を抱くようになった。

アルビンさんは「サインしたくなかった」と話した。しかし、解雇に対する不安からサインしたという。

元従業員のマイケルさんは、十数年前に韓国のソウル市を訪れた際、中国当局による法輪功学習者への強制臓器収奪に関する写真展を見たと話した。「その残酷さに呆然と立ち尽くした」とマイケルさんは語り、「言論と信仰の自由を有する国では、誰もが信仰の自由を持つべきだ」とした。

法輪功学習者への差別は海外でも

大紀元が以前に入手した中国当局の内部文書では、中国の地方政府は、法輪功学習者に接触しないよう、海外出張の政府職員や幹部らに対して事前にトレーニングを行っている。2017年、中国海南省海口市のある政府部門は、シンガポールへ5日間の出張を予定していた1人の職員について、法輪功の学習者ではないという証明書を同市の外事弁公室に提出した。

中国当局のプロパガンダ宣伝機関とされる「孔子学院」でも、法輪功の学習者を雇用しないとの規定がある。

ソニア・チャオさんは、十数年前カナダのマクマスター大学の孔子学院で中国語を教えていた。2010年、カナダに行く前に、チャオさんは法輪功を習わないという誓約書に署名した。

実際には、チャオさんは中国国内にいた時、法輪功を習っていた。彼女の母親は法輪功学習者であるという理由で複数回、当局に拘束された。チャオさんは、「職場にいた1年間余り、自分が法輪功の学習者だとバレたら、自分に何かが起きるだろうと恐れて、自分の信仰をずっと隠していた」と大紀元に語った。

2012年、チャオさんは、差別的な雇用慣行があり、自身の権利が侵害されたと主張して、マクマスター大学に陳情書を提出した。同大学はこの1年後に孔子学院を閉鎖した。同大学側の担当者は、「中国側の採用プロセスを調べた後、われわれの望む方法で行われていないと分かった」と大紀元に述べた。

フリーダムハウスのクック氏は、中国当局は法輪功を巡って差別的な雇用や就労条件を付けただけでなく、「すべての信仰や他の政治的な活動に関しても、このような制限を設けており」「この制限は中国国内に限らない」と批判した。

ここ数カ月、少なくとも8人の元従業員がCGTNから離職した。元従業員らは管理層から強い「抑圧」を受けたと訴えた。

(翻訳編集・張哲)