オハイオ州の故夫妻、美術館に1800万ドルを寄付

アメリカ・オハイオ州のある善良で慈善家の夫妻が亡くなったとき、その莫大な遺産1800万米ドル((約27億円)が、シンシナティの3つの主要美術館に寄付されました。この寄付は、地域社会のすべての人々に教育機会と文化交流を促進したいという彼らの信念を表すものであり、当地の芸術界に大きな影響を与えました。

芸術愛好家のキャロル・エッケル氏が2020年に亡くなり、その2年後、夫で同じく芸術愛好家のウィリアム・ビル・エッケル氏が亡くなりました。二人は、おなじみのシンシナティ美術館シンシナティ博物館センタータフト美術館にそれぞれ約600万ドル(約8億9900万円)を寄付しました。

タフト美術館の理事会メンバー兼財務委員会委員長、シンシナティ博物館センターのメンバー兼投資委員会委員長であるデビッド・ハウスラス氏は、プレスリリースの中で「これらの美術館は彼らの心の中で特別な位置を占めており、今回の寄付が、これらの文化団体が後世に貴重な文化遺産を残すのに役立つだけでなく、私たちが運営する非営利団体や、彼らが奉仕した地域社会にとって、非常に重要で長期的な財政的安定をもたらすことも知っています」と述べました。

シンシナティ美術館は無料で一般公開されており、館内には7万3千点の約6千年の歴史にわたる芸術作品のコレクションを収蔵しています。シンシナティ博物館センターは、以前はシンシナティ・ユニオン・ターミナルとして知られていた歴史的建造物です。この複合博物館はアールデコ様式で、国定歴史建造物に指定されています。

シンシナティの都心にある200年の歴史を持つタフト美術館は、ヨーロッパとアメリカの絵画、18世紀の時計、中国の磁器、フランス・ルネッサンスの琺瑯(ほうろう)作品など、中世(5世紀後半~15世紀半ば)~19世紀までのコレクションを所蔵しています。

シンシナティ博物館センターの最高経営責任者(CEO)エリザベス・ピアース氏は、エッケル夫妻は「当館所蔵の宝物を探索し、その歴史の詳細に浸り、学ぶことを楽しんでいました」と話し、ミスターエッケルはこの地域の業績を特に「誇りに思っていました」と語りました。

シンシナティ美術館のキャメロン・キッチン館長は、エッケル夫妻が「地元の若者の成長と発展に常に関心を寄せています」とし、「個人の尊重を基本に、より良いシンシナティを築く機会を提供しています」と述べました。

「彼らの贈り物は、芸術の力を強くさせ、私たちのコミュニティをより絆深いものにし、また当美術館に対する彼らの大きな情熱を反映するものです」とキッチン氏は語りました。「私は、シンシナティ美術館でのあらゆるイベントや場面で見せてくれた、彼らの愛と楽観主義を忘れないでしょう」。

エッケル夫婦からのこの多額の遺贈は、3つの美術館の現在と将来における影響力を劇的に増大させるでしょう。

 

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