現地時間6月16日午後1時(日本時間6月17日午前4時)、カナダ・アルバータ州カナナスキスで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)の会場にて、石破茂内閣総理大臣とドナルド・トランプ米国大統領が約30分間にわたり首脳会談を行った。両首脳は、日米同盟の強化と「自由で開かれたインド太平洋」の推進について一致し、世界の平和と繁栄に向けた協力を確認した。
今回の会談の最大の焦点は、米国が日本などに課している関税措置の見直しであった。石破首相は、米国による自動車や部品への25%の追加関税をはじめとする一連の関税政策について、トランプ大統領と率直な意見交換を行った。しかし、両国の立場には依然として隔たりがあり、包括的な合意には至らなかった。会談後、石破首相は「双方の認識に相違が残っており、パッケージ全体としての合意には至っていない」と述べた。
両首脳は、今後も担当閣僚同士による協議を継続し、解決策を模索していく方針で一致した。日本政府は、米国の関税措置が日本の自動車産業などに与える影響を重く受け止めており、引き続き国益を守るため粘り強く交渉を続ける考えを示している。一方、トランプ大統領は、自身の高関税政策を改めて強調し、米国の産業保護を最優先する姿勢を崩していない。

今回の会談は、今年2月以来2度目の日米首脳会談となった。G7サミットの機会を活用し、両国首脳が直接対話することで、関税問題の打開が期待されたが、具体的な進展は見られなかった。
直近では、6月6日に第5回目の閣僚級協議が行われており、今後も定期的に協議が継続される見通しである。日本側は赤澤亮正経済再生担当相が、米国側は財務長官や商務長官、通商代表部(USTR)代表などが出席している。次回の協議日程については現時点で公式発表はないが、7月9日に相互関税停止の猶予期限が控えており、それまでに一定の進展が図られる可能性が高い。

今後の交渉では、自動車関税の扱いと米国の貿易赤字削減要求の調整が最大の課題となる。政府関係者によれば、双方の国益を踏まえた慎重な調整が続けられる見通しである。
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