日米欧など55か国 レアアース貿易圏構築を協議 中共に対抗

2026/02/06
更新: 2026/02/06

重要鉱物の供給源多角化を進めるため、米政府は2月4日、日本やEUなど55か国とともに、レアアースの安定供給をテーマとした閣僚級会合を開催した。複数の二国間協定が締結される見通しだ。

会合に出席したヴァンス米副大統領は、各国との協力を呼びかけ、「拘束力を持つ最低価格制度を通じて、外部の影響を受けない重要鉱物の貿易圏を構築すべきだ」と提案した。

ルビオ国務長官は中国の名を直接挙げなかったものの、重要鉱物が「特定の一国に高度に集中している」現状を指摘し、それが「地政学における圧力手段として利用されている」と述べた。

ルビオ氏は、「重要鉱物の供給源の多様化と、世界各地に広がる安全で強靭なサプライチェーンの構築を望んでいる。これらの枠組みは代替供給源を創出し、採掘から精錬、加工、製造に至るまで、生産のあらゆる段階を非市場的要因の干渉から守ることを目的としている」と強調した。

今回の重要鉱物閣僚級会合は、アメリカを中心とする西側同盟が、「言葉による外交」から「制度化された対抗」へと正式に移行したことを示すものと位置付けられる。関連する構想では、価格支援、市場基準、補助金、政府による買い取り保証など、複数の政策手段を活用し、重要鉱物の生産能力拡充を進める方針が明確に示された。

米サウスカロライナ大学エイケン校ビジネススクールの謝田教授は、「これら50か国は、いずれも重要鉱物資源を有する国であり、同時にアメリカの経済や技術への依存度が高い。アメリカが選定したこれらの国々は、アメリカおよび自由主義陣営の将来的需要を満たし、中共の脅威を受けることなく、自由世界に十分な希少金属供給を確保することができる」と述べた。

台湾南華大学国際事務と企業学科の孫国祥教授は、「今回の構想は単なる供給源多角化ではなく、重要鉱物を市場問題から、同盟国による管理の枠組みへと格上げするものだ。つまり関税優遇、長期契約、共同投資、最低価格を通じて、レアアース、リチウム、黒鉛などの分野における中国の独占力や武器化の余地を構造的に弱める」と分析した。

EUはアメリカと「重要鉱物パートナーシップ」を構築することで、中共をけん制すると同時に、資源争奪を巡ってアメリカとの間で消耗戦に陥ることを回避したい考えだ。ブルームバーグは、複数国が最低価格について公に言及し、協議していることから、制度化に向けた具体的な枠組みが見え始めていると伝えた。

謝氏は、「アメリカはこれらの協定やパートナーシップを通じて、中国を除いた形で世界の鉱物資源を統合しつつある。枠組みが完成すれば、中共に対する輸出をコントロールすることになる。言い換えれば、中共は鉱物輸出で他国を脅しているが、その構図が逆転し、トランプ大統領が主導する連携体制が中共に圧力をかける側に回っている。中共側の需要を一部で抑え込む構えであり、中共自身も多くの鉱産資源を輸入に依存しているのだ」と指摘した。

会合に参加した55か国には、アメリカ、日本、EUといった消費国だけでなく、アフリカ、東南アジア、モンゴルなどの資源国も含まれている点が特徴だ。

孫氏は「今後は、採掘、加工、リサイクルを含む全サプライチェーンが安全保障の枠組みに組み込まれ、長期購入契約や共同基金、戦略備蓄が拡大する可能性がある。アメリカの備蓄計画や、フランス、ドイツ、イタリアが主導するEUの共同在庫構想がその例だ」と述べた。

その上で、「中共はかつてのように価格競争で急速に市場を拡大することは難しくなるが、技術力や加工能力、南側諸国への融資を通じて一定のシェアを維持しようとするだろう。競争は短期的な完全代替ではなく、供給の強靭性、コスト、影響力を巡る長期戦になる」との見方を示した。

専門家らは、重要鉱物が大国間競争の中核的戦場に浮上し、冷戦期の石油地政学に匹敵する戦略的意味を持つようになったと指摘する。もはや単一産業の問題ではなく、経済安全保障、同盟国間の役割分担、チャイナリスク管理を含む包括的戦略の一環として位置付けられている。今後3か月間で、参加国が具体的な共同開発プロジェクトや共同補助制度を実行に移せるかが注目点となる。