日中関係が緊迫する中 北京の「スシロー」は盛況 

2026/03/30
更新: 2026/03/30

日中首脳の外交関係が緊張する中でも、中国本土の民間、特に若年層における日本ブランドへの消費意欲は低下せず、むしろ増加している。各地の回転寿司チェーン「スシロー」は盛況であり、北京市内のある店舗では毎週末、整理番号の取得に行列ができ、若年の消費者の中には最長6時間待つケースもある。

高市早苗首相は2025年11月の国会答弁で「台湾有事は日本有事」との防衛認識を示した。この発言を受け、中国共産党(中共)政府は反発し、高市首相に発言撤回を迫るため、外交および世論の両面で圧力を強めたが、高市首相は強硬姿勢を維持した。その結果、2025年から2026年にかけて日中外交関係は緊張状態にある。

一方で、中国本土の民間では激しい反日感情や行動は見られず、「スシロー」の営業は影響を受けていない。

香港紙・明報は3月29日付の記事で、3月のある土曜日の夕食時間帯に北京市内のスシロー店舗で呼び出し番号が1327番に達した時点で、待機番号はすでに2400番を超えていたと報じた。待機エリアは満席で、顧客の中にはノートパソコンを持ち込み、待機中に業務を行う者もいた。店舗スタッフは、このような状況が毎週末繰り返されており、整理番号は現地での取得に限られると説明した。

報道によれば、待機客の大半は若年層であり、一部は学生である。ある消費者は同店舗を10回以上利用しており、最長で6時間待機した経験があると述べた。この日本アニメの愛好者である女性は、「日中関係が緊張していても、日本料理をボイコットすることはない」と語った。

明報は、入店が困難であることから、整理番号を転売する行為も存在すると報じた。転売業者は、週末や祝日以外の平日夕食時間帯でも整理番号を45元で販売していると説明した。

複数の顧客は、コストパフォーマンスの高さが繰り返し来店する理由であると指摘している。一般的に一人当たり数百元に達する日本料理店と比べ、スシローは価格が手頃である。また、こうした行列は北京に限らず、広州市の複数店舗でもピーク時にはオンライン整理番号の発行を停止しており、珠海市の新規開店時にも長蛇の列が確認された。

同報道は、中国本土メディアの分析として、スシローの人気は中価格帯の日本料理市場の空白を埋めたことにあると伝えており「スシローは低価格帯飲食の利便性と高級日本料理の儀式性を併せ持つ」と評価されている。

スシローは2021年に中国本土へ進出した。2月24日時点で公式プラットフォーム上では中国国内の店舗数は75店に達している。親会社FOOD & LIFE COMPANIESの財務報告によれば、2025年10月から12月期における海外事業の純売上高は428億7800万円となり、前年同期比54.4%増となった。

同報道はさらに、中国政府が軍民両用物資の対日輸出禁止や日本産水産物および牛肉の輸入停止など複数の措置を講じ、高市首相に発言撤回を迫っていると指摘した。しかし現時点では、これらの措置は2005年や2012年のような日中関係の緊張期に見られた大規模な対日製品ボイコットにはつながっていない。当時は日本車や家電などが消費者の不買運動の対象となり、一部店舗が営業停止に追い込まれる事例も発生していた。

大紀元