江蘇省蘇州(そしゅう)市で、中国の大学入試「高考(ガオカオ)」を前に、市全体が「受験特別態勢」に入った。
蘇州市当局は5月23日から6月19日まで、市内の建設工事の夜間作業を全面停止すると発表した。試験期間中は、試験会場から100メートル以内の工事現場で昼間の作業も禁止する。
さらに当局は、夜間の見回り体制を強化するほか、ドローンによる巡回やAIを活用した騒音監視システムも導入する。企業や工事現場には事前に通知を出し、騒音対策の徹底を求めている。
こうした措置に対し、中国のSNSで特に目立ったのは、「受験生にはここまで気を使うのに、卒業後の就職難は放置されたままだ」という不満の声だ。
中国では大学進学率の上昇に伴い卒業生も増え続けている。中国教育省は2026年の大学卒業生が1270万人に達すると予測しているが、景気低迷の影響で若者の就職難は深刻化している。
中国当局の統計によると、フードデリバリー配達員は1400万人以上、配車アプリ運転手は750万人規模に達している。2025年の大学卒業生1222万人のうち、3割以上が配信やネット販売、アルバイトなどの不安定な働き方を選ばざるを得ない状況にある。
中国メディアによると、杭州(こうしゅう)市では、1棟の大型マンションに約2万人のライブ配信者が集まっているとされる。安定した仕事を得られない若者が、配信やネット販売に活路を求める現実を象徴する光景として話題になった。
中国では受験シーズンになると、交通規制や工事停止など大規模な「受験支援」を毎年のように行う。まるで試験会場さえ静かに保てば、将来も約束されるかのようだ。
しかしネット上では、「本当に必要なのは騒音対策ではなく雇用対策だ」との声が広がっている。
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