アメリカが警戒を強める中国の大学は、日本の大学ともつながりを持っている。
アメリカ国防総省は、中国の復旦大学や上海交通大学、西安交通大学などを、研究成果や技術が不正に利用される恐れがある外国機関のリストに加えた。中国本土では計88機関が対象となった。
アメリカ国防総省は、これらの機関との研究について、アメリカ国防総省の資金を使うことや、対象機関の設備を利用することを2026会計年度から制限する。背景には、アメリカの研究成果や先端技術が中国軍や情報機関に渡ることへの強い警戒がある。
日本にとっても無関係ではない。今回対象となった一部の中国の名門大学は、日本の複数の大学と長年にわたり研究交流や大学間協定を結んできた実績がある。
ただし、今回の措置によって、日本の大学と中国の大学との交流が直ちに禁止されるわけではない。制限の中心は、アメリカ国防総省の資金が関わる研究である。
それでも、日本の研究者がアメリカ側の資金を受ける共同研究や、日米中の大学が参加する研究では、共同研究先や研究データの管理などをより慎重に確認する動きが広がる可能性もある。
問題は、研究交流そのものではない。民間の名門大学で行われる研究と、中国政府や軍との境界が外部から見えにくいことである。
アメリカの警戒対象が軍系の大学だけでなく、復旦大学や上海交通大学のような有名総合大学にまで広がったことで、日本でも「交流実績があるから安全」とは言い切れなくなった。大学や研究機関には、相手との関係を一律に断つのではなく、研究成果がどこへ渡り、何に使われるのかを確かめる仕組みが求められている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。