北海道共同募金会で巨額使途不明金 事務局長に最大1億8千万円着服の疑い

2026/06/16
更新: 2026/06/16

北海道内で「赤い羽根」などの共同募金を実施している社会福祉法人北海道共同募金会で、集められた寄付金に使途不明金が発生していた問題で、同会は15日に記者会見を開き、会計責任者を務める男性事務局長(58)による横領が疑われる事案について説明した。男性事務局長は、最大で1億8千万円を着服した疑いがあるという。毎日新聞などが報じた。

同会によると、集められた寄付金は会計責任者である男性事務局長が実質的に1人で管理していた。男性は事務局次長に就任した2010年から会計業務を担当し、2022年に事務局長に就任した。

2020年ごろから着服が行われていたとみられ、着服総額は最大で1億8千万円に上る可能性があるという。

内部調査にあたった弁護士の説明によれば、男性は年度末の監査が入る時期に金融機関から借り入れをするなどして、口座の額をごまかしていたとみられるほか、簿外での処理も多数行われていたという。

2021年まで事務局長だった天羽啓常務理事は、口座の確認はしていたものの不正に気づけなかったとした上で、男性が会計責任者となって以降、別の担当者が確認する体制が整えられていなかったと不備を認めた。

国税局の査察で事態が発覚

問題発覚の契機となったのは、2月17日に国税局が事務局長に対する所得税法違反の嫌疑で同会に査察に入ったことだった。この際、ほとんどの会計資料が押収された。

その後、同会が残された資料を精査した結果、3月末に、本来あるべき金銭が相当額不足している可能性があることを確認した。

同会は、本来であれば速やかに報告すべきだったとしつつ、会計資料の大部分が押収されていたことに加え、簿外処理が多数あったため、事案の把握と報告に時間を要したと説明している。

刑事告訴を検討、会長は辞任の意向

北海道共同募金会は、男性事務局長を懲戒解雇する方針を示している。横領の事実関係を調査した上で、刑事告訴の手続きも進めるとしている。

瀬尾英生会長は会見で、寄付金を預けた道民らに対して謝罪し、辞任を表明した。

例年4月に行われる福祉活動への助成金の分配については、今回の使途不明金の調査などの影響で遅れが生じている。ただ、一部の寄付金の配分については実施の目処が立っているという。

本件を受け、各都道府県共同募金会の連合会である中央共同募金会も6月13日に声明を発表した。報道が事実であれば「共同募金運動の信頼を大きく揺るがすものであり、断固として許されるものでない」とし、北海道共同募金会へ速やかな事実確認を求めている。また、判明した事実関係を踏まえ、北海道内の社会福祉活動を停滞させないよう必要な対応を検討する方針を示した。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます