中国 橋、商業施設、学校にも 各地に広がる「自殺防止ネット」

また橋に有刺鉄線 中国で何が?

2026/10/05
更新: 2026/10/05

また、中国で「飛び降り防止」を思わせる設備が現れた。

今度は湖南省の橋だ。9月27日、祁陽市の「湘江大橋」で、高い防護ネットの上に有刺鉄線を取り付ける様子が撮影された。

映像がネットに投稿されると、たちまち話題になった。「飛び降り防止ではないか」「ここでは何度も人が橋から飛び降りているから仕方のない対策だ」といった書き込みが相次いだ。

その後、中国メディアが地元当局に確認したところ、工事を認め、「安全対策のため」と説明した。ただし、飛び降り防止が目的なのかについては明言していない。

中国ではこれまでも、飛び降りが相次いだ一部の橋に、高い柵や防護ネットが設置されてきた。

しかも、橋だけではない。

飛び降りが相次いだ一部の商業施設では、吹き抜けに大きな落下防止ネットが張られている。学校でも、校舎の吹き抜けや高所にネットを設置するところが出てきている。

施設や学校は「落下防止」「安全対策」などと説明するが、ネット上では「自殺防止ネット」と呼ばれている。

 

河北省保定市のショッピングモール(「万博商場」)に設置された飛び降り防止用の巨大なネット(ネット画像)

 

橋に柵を張り、商業施設や学校にネットを張る。人が落ちないようにする対策が、街のさまざまな場所に広がっている。

もちろん、安全対策は必要だ。だが、柵やネットを増やすだけでは、その背景にある問題までは解決できない。

どこか、今の中国の少子化対策にも似ている。

結婚する若者が減ると、当局は結婚手続きを全国どこでもできるようにし、必要書類を減らした。最近では銀行や地下鉄にも結婚登記窓口が登場している。しかし、中国のネットではこんな言葉が話題になった。「我々が結婚しないのは、役所が遠いからではない」

今回の有刺鉄線にも、同じことが言えるのかもしれない。柵を高くする前に、なぜ人々がそこまで追い詰められるのかを問うべきではないか。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!