米 中国向けAI半導体規制強化 海外子会社経由の調達も許可制に

2026/06/03
更新: 2026/06/03

米商務省は、中国共産党(中共)関連企業による先端AI半導体の調達をさらに制限するため、新たな輸出管理規定を発表した。中国企業の海外子会社に対して米国製AI半導体を輸出する場合でも、事前に輸出許可の取得を義務付ける。

対象となるのは、米半導体大手エヌビディアの最新世代AIプロセッサ「Blackwell」や「Rubin」、AMDの「MI350X」などの高性能半導体である。

米商務省は今回の措置について、「中共と関係のある企業が海外子会社を経由して米国製AI半導体を継続的に入手することを防ぐため」と説明している。

技術専門家で米国務省元職員のクリス・マクガイア氏はSNS上で、「これまで輸出許可が不要だった状況を利用し、中共系企業の海外子会社がすでに大量のBlackwellチップを購入していた可能性がある」と指摘。「これは非常に大きな問題だ」と懸念を示した。

一方、これに先立ちトランプ米大統領は、エヌビディアのAI半導体「H200」の対中輸出を承認していた。しかし、米国側が輸出を認めた後も、中国当局は国内企業によるH200の購入を正式には承認していない。

この点について、大紀元コラムニストの王赫氏は、「米国は政策の見直しを迫られた。従来の規制には多くの抜け穴が存在し、中共に利用されていたことが明らかになった」と指摘した。その上で、「今回の措置を含め、米国は関連分野の調整と徹底的な調査を進め、抜け穴を完全に塞ごうとしている」との見方を示した。

また、台湾国防安全研究院の蘇紫雲所長は、「米中首脳会談後にH200の輸出は認められたが、中共は表向きには不要だとの立場を取っている」と述べた。その一方で、「業界では密輸に近い形で調達が続いている」と指摘した。

関係者によると、中国側がH200を必要としていないわけではなく、AI開発において依然として米国製先端半導体への依存が続いている現実を外部に示したくないとの思惑があるという。

蘇氏は、「現在の中国製チップは、計算能力の不足を数量で補うしかない状況にある」と説明。「最先端ではないものの、中国本土にとっては一定の助けとなり、その計算能力によってソフトウェアモデルの性能向上を図ることができる」と述べた。

さらに蘇氏は、「中国当局は米国製チップへの依存低減を強調しているが、企業は依然としてH200などの高性能AI半導体の確保を続けている」と指摘。その上で、「AIの発展には依然として先端半導体が不可欠であることを示している」との見解を示した。