米空軍基地とB-2爆撃機を無断撮影 中国人に禁錮6か月 送還へ

2026/08/18
更新: 2026/08/18

中国人のチーリン・ウー(Qilin Wu)は、米軍のB-2「スピリット」ステルス爆撃機などを無許可で撮影したとして、7月初めにミズーリ州西部地区連邦地裁で禁錮6か月を言い渡された。現在は米移民・関税執行局(ICE)に拘束され、中国への送還を待っている。

ウーは2025年12月、米空軍の軍事施設や装備を撮影しないよう警告を受けた翌日、再び基地周辺を訪れ、B-2爆撃機や基地施設などを撮影した。事件では、冷戦期に制定した法令が適用されたことも注目を集めている。

2026年7月初め、ミズーリ州西部地区連邦地裁は、アメリカ法典第18編795条と大統領令第10104号に基づき、ウーに判決を言い渡した。同法は、保護対象に指定された軍事施設や航空機、武器、装備などを無断撮影したり、スケッチや地図を作成したりすることを禁じ、こうした画像などの公開も禁止している。

ウーは逮捕後、継続して拘束されていたため、その期間が刑期に算入され、すでに刑期を終えている。その後、連邦保安官局に身柄を引き渡され、現在は移民・関税執行局に拘束され、中国への送還を待っている。

米空軍特別捜査局は8月13日に発表した声明で、この事件に言及した。トルーマン元大統領が冷戦期に署名した大統領令を今回適用したことについて、今後、機密性の高い軍事施設周辺で無断撮影を繰り返す行為の取り締まりに活用できるほか、捜査当局が同様の事件を調べ、事態の深刻化を防ぐ際の先例になるとしている。

空軍特別捜査局第8地区司令官のデービッド・ベセル大佐は「われわれの捜査官にとって、これは単なる一つの事件ではない。われわれが活動する環境そのものが変化していることを認識しなければならない」と述べた。

空軍特別捜査局はこの事件の捜査を担当した機関の一つである。

ベセル氏は、米軍が直面する脅威について、海外での明確な脅威から、アメリカ国内の軍事施設周辺で起きている脅威が、より実態を捉えにくい犯罪行為へと変化していると指摘した。

ウーの事件について、捜査当局が懸念したのは無断撮影だけではない。警告を受けた後に再び現場へ戻ったことに加え、撮影対象が航空機だけでなく、基地周辺の状況やインフラにも及んでいたことだ。

起訴文書によると、2025年12月2日、空軍特別捜査局はミズーリ州のホワイトマン空軍基地周辺で不審な車両が確認されたとの通報を受けた。同基地は、米軍のB-2ステルス爆撃機の主要配備基地である。B-2は核攻撃能力とステルス性能を備え、米軍の極めて機密性の高い戦略装備である。

空軍の警備要員が確認に向かったところ、ウーと接触した。ウーは、B-2を見るために来たと説明した。警備要員はその場で、軍事施設を写真や動画で撮影してはならないと警告した。

翌日、捜査官は基地のフェンス付近で同じ車両を再び確認した。ウーに事情を聴いたところ、B-2爆撃機を撮影したことを認め、スマートフォンを捜査官に提示した。

捜査当局はウーのスマートフォンから、計18件の画像・映像データを確認した。内容にはB-2爆撃機のほか、基地のフェンスや出入口、複数の軍事設備などが含まれていた。ウーは事情聴取でこれらを撮影したことを認め、以前にもフロリダ州やバージニア州の米空軍基地や軍用機を撮影したことがあると明らかにした。

ウーは2023年6月、アリゾナ州ノガレスから不法にアメリカへ入国した。移民当局に拘束された後、収容スペースの不足を理由に釈放されていた。

林燕