評論
COVID-19パンデミック中のアメリカにおける投票手続きの変更、そしてワシントンで1月6日に起きた事件へと至る論争の的となった2020年大統領選挙以来、数百万人のアメリカ人が、この国の選挙制度は十分な透明性と安全性を備えているのかと疑問を抱いてきた。2020年の出来事についてどのような見解を持っていようとも、選挙に対する国民の信頼を回復することは、喫緊の国家課題である。
こうした背景から、米連邦議会下院は先般、「SAVE法(Safeguard American Voter Eligibility:アメリカ人有権者資格保護法)」を可決した。この法案は、連邦選挙の投票登録の際に、アメリカ市民であることを証明する文書の提出を義務付けるものである。申請者は原則として許容される書類の提示を求められ、郵便投票を行う有権者にはさらなる本人確認要件が課されることになる。大統領が支持する関連提案では、郵便投票の対象を軍務、病気、障害、長期旅行といった状況下に限定しようとしている。
世論調査では一貫して、有権者の本人確認や市民権証明といった対策を、アメリカ国民の明確な過半数が支持していることが示されている。
それにもかかわらず、反対派の政治家や擁護団体は、有権者不正は事実上存在しないため、これ以上の選挙対策は不要であると主張し続けている。この主張の最近の例として、少し前にニュースマックスの番組『Wake Up America Weekend』で放送された内容が挙げられる。SAVE法に関する議論の中で、反対派の一人は、保守的なヘリテージ財団でさえアメリカにおける選挙不正の証拠は「0パーセント未満」であると結論付けていると断言した。彼らは法案に反対する立場から発言していたが、司会者も他のパネリストも、この発言に直接反論することはなかった。
しかし、この主張は意図的に誤解を招くものである。
ヘリテージ財団は、選挙不正が極めてわずかな割合でしか発生していないと結論付ける調査報告書を発表したことは一度もない。その代わり、同財団は「選挙不正データベース(通称:選挙不正マップ)」を維持しており、刑事有罪判決、民事上の認定、不正によって覆された選挙など、アメリカ各地で証明された選挙不正の事例を記録している。2025年後半の時点で、このデータベースには数十年にわたって蓄積された約1,600件の記録済み事例が含まれている。
ヘリテージ財団は、同データベースが選挙不正のすべてを網羅した統計ではないことを率直に認めている。むしろ、これは検知され、調査され、最終的に解決に至った事例のカタログである。あらゆる犯罪行為のデータベースと同様、これが犯された犯罪の総数を確実に過小評価していることは疑いようがないが、それがどの程度なのかを自信を持って言える者はいない。
SAVE法への批判者は、利用可能な証拠を偏った方法で解釈している。彼らは、記録された約1,600件の事例と、同時期にアメリカの選挙で投じられた数十億票を比較し、証明された選挙不正は全投票の極めて小さな割合(1万分の1をはるかに下回り、多くの分析では10万分の1を大きく下回る)に過ぎないと結論付けている。さらに彼らは、大統領選挙の結果を左右するに十分な規模の選挙不正を示す証拠は存在しないと主張する。
そのような結論が正しいか誤っているかは別として、選挙対策が不要であることの証明にはならない。不正票の数が比較的少なくても、接戦、特に数百票で決まる地方選挙や州選挙では、その結果を左右することがあり得る。さらに、選挙の公正さとは、不正が発生した後の摘発だけを指すのではない。正確な有権者名簿、信頼できる市民権の確認、安全な投票手続き、そして州を超えて一貫した基準の維持こそが、選挙結果に対する国民の信頼に寄与するのである。
実際、ジミー・カーター元大統領とジェームズ・ベーカー元国務長官が共同議長を務めた超党派の「連邦選挙改革委員会」は、「不正を抑止・検知するため、あるいは有権者の身元を確認するための安全策が存在しなければ、選挙制度は国民の信頼を得ることはできない」と指摘した。この結論は、20年前に書かれた当時と同様に、今日においても妥当である。
SAVE法の支持者は、市民権の証明を義務付けることは誰にとっても容易に満たせる範囲の、妥当な安全策であると主張している。多くのアメリカ人はすでに、パスポートや運転免許証、その他数多くの政府発行の証明書を取得する際に、これと同等の書類を提出している。彼らは、連邦選挙への参加前に同様の証明を求めることは、決して負担や差別にあたるものではなく、資格のある市民のみが投票しているという信頼を補強するものに過ぎないと論じている。
先月末、トランプ大統領は「選挙の公正さがこの国の最優先事項であるべきだ」という理由で、ホワイトハウスがアメリカ史上最も重要な住宅の負担能力向上法案の一つとみなしていた超党派法案への署名式を中止した。彼はSNSに次のように投稿した。「本日予定されていた住宅に関する記者会見および署名式は、私が国家非常事態と考える『SAVEアメリカ法』が可決されるまで中止とする」。
SAVE法の具体的な条項について、あるいは同法が選挙の安全性と有権者のアクセスのバランスを適切に取れているかどうかについて、理性的な人々が意見を異にすることはあり得る。しかし、「証拠ゼロ」だと主張して深刻な懸念を退けることは、公正な選挙を確実にするためには何ら役立たない。記録された不正は比較的珍しいという意見を持つ人々にとっても、現行制度における明白な脆弱性を解消することには同意できるはずである。
選挙に対する国民の信頼は健全な民主主義に不可欠であり、SAVE法を可決することは、不正など全く存在しないかのように振る舞うよりもはるかに責任あるアプローチである。
重要な中間選挙を目前に控え、この法案に固執して反対する上院議員たちは、選挙の公正さをないがしろにするという『死地』を無視して平然と歩いている。その無策がいかに米国の利益に反する愚かな戦略であったか、将来彼らは痛感することになるだろう。

ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。