飲食料品の消費税率 4月から1%に 赤字国債に頼らず財源確保=片山財務相

2026/09/16
更新: 2026/09/16

政府は9月15日の閣議で、税制改正大綱を決定した。2027年4月1日から2年間、飲食料品の消費税率を1%に引き下げ、2029年度に本格導入する所得連動型の直接給付制度「就業者負担軽減支援金」への移行を見据えた臨時措置と位置付ける。

片山財務相は同日の閣議後記者会見で、赤字国債に当たる特例公債の追加発行には頼らず、租税特別措置の見直しや税外収入の確保を含めた歳出・歳入全般の見直しによって財源を確保する方針を示した。債務残高の国内総生産(GDP)比を安定的に引き下げ、市場の信認を維持しながら財政運営を進める考えだ。

2029年度から所得連動型の給付へ

飲食料品の消費税率引き下げは、2027年4月1日から2年間実施する。その後は、所得に応じて給付する就業者負担軽減支援金へ移行する。

新たな給付制度が本格導入されるまでのつなぎとして、消費税率の臨時引き下げを実施する。政府は、消費税率による一律の支援から、所得に応じた個別の給付へ支援方法を転換する方針である。

事業者の税務負担を軽減

税率変更に伴う事業者の負担を抑えるため、本則課税事業者への移行に関する特例や、簡易課税制度の特例を整備する。短期間での値札変更などに対応するため、総額表示義務にも特例措置を設ける。

税率引き下げが売上高に影響する農林業者に対しては、それぞれの売上高を踏まえた金額を給付する。食品産業や外食産業には、資金繰り支援に加え、生産性向上に向けた予算措置を講じる。

基金や特別会計を見直し

閣議後の会見の中で片山氏は、「単に口頭で見直しを掲げるだけで年末に結果が出ないといった状態にはしない」と述べ、予算編成プロセスの中でこうした具体的な内容を明らかにしていく考えを強調した

財源について特例公債の追加発行を行わず、歳出構造をゼロベースで見直す考えを示し、予算が十分に活用されていない基金を精査するほか、特別会計の活用も検討すると述べた。基金などから資金を回収するための具体的な基準を策定する方針だ。

近年、補正予算で実施してきた物価高対策については、支援金制度と飲食料品の税率引き下げに統合し、当初予算への集約を進める。債務残高の対GDP比を安定的に引き下げる目標を維持し、数年単位で国債発行額を管理する。

近年、補正予算で実施してきた物価高対策については、今回の支援金や税率引き下げが物価対策の意味を持つことを踏まえて内容を見直し、補正予算依存の財政運営からの脱却を図る。

防衛費をGDP比3.5%へ増額する検討が進んでいるとの報道について、片山氏は「全く承知していない」と述べた。防衛費を含む歳出全体を、債務残高の対GDP比を安定させる枠組みの中で管理する姿勢を示した。

マレーシアとの通貨協力を強化

会見では、日本とマレーシアによる第3次二国間通貨スワップ契約への署名も発表された。両国は、新たに現地通貨の利用促進に関する協力覚書を締結した。

同日午後5時には、2026年度の金融行政方針を公表する。7月に策定した「成長投資促進のための金融戦略」の具体化を柱とする。

臨時国会に法案提出へ

政府は、税率引き下げや関連支援策を盛り込んだ法案を臨時国会に提出し、早期成立を目指す。官房長官は、国民生活への影響を踏まえ、法案提出前から周知などの準備に着手するよう指示した。

山氏は、2年間の措置終了後に税率を戻すことが政治情勢によって困難になる可能性を指摘する質問に対し、大綱や法案に2年間限定と明記した上で、法案審議に丁寧に向き合い、国民や地方自治体、事業者へ丁寧な説明と周知を行う考えを示した。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます