「能動的サイバー防御」始動 自衛隊 攻撃元サーバーへのアクセス可能に

2026/10/02
更新: 2026/10/02

サイバー対処能力強化法などを10月1日に施行し、自衛隊に「アクセス・無害化措置」の任務が加わった。重大なサイバー攻撃を防ぐため、攻撃元のサーバーなどに能動的にアクセスし、脅威を取り除く。

小泉防衛相は2日の記者会見で、自衛隊サイバー防衛隊を視察し、新設した作戦室で部隊を激励したと明らかにした。作戦を指揮する統合作戦司令官には、任務遂行に万全を期すよう下令した。

今回の制度により、自衛隊の指揮統制・情報システムだけでなく、国や民間の基幹インフラを狙う重大なサイバー攻撃にも対応できるようになる。

アクセス・無害化措置は原則として警察が担う。高度な攻撃で自衛隊の専門技術や情報が必要な場合は、自衛隊が対応する。内閣官房の調整の下、警察と自衛隊が連携する。

小泉氏は会見で、国家を背景とするサイバー攻撃について、重要インフラの機能停止や破壊を狙い、平時から標的のシステムに侵入して情報を窃取する事例があると指摘した。こうした組織的で高度な攻撃が「国家安全保障上の脅威となっている」と述べた。

官民の情報共有強化

政府は、基幹インフラ事業者など民間企業との情報共有も強化する。

小泉氏は、基幹インフラを守るには官民の双方向の情報共有が欠かせないとの認識を示した。民間企業から提供された被害情報については、安全管理を徹底し、情報提供によって企業が不利益を受けないようにする方針である。

防衛省・自衛隊は、防衛関連企業と情報共有などを行う「サイバーディフェンス連携協議会」との連携も強める。

サイバー防衛隊を約1200人体制へ

サイバー防衛を担う人員も増強する。

小泉氏によると、現行の防衛力整備計画に基づき、2026年度末までに自衛隊サイバー防衛隊の定員を約1200人とする。横須賀の陸上自衛隊高等工科学校やシステム通信・サイバー学校などでは、専門教育の強化も進めている。

政府が進める能動的サイバー防御は、「官民連携」「通信情報の利用」「アクセス・無害化措置」が柱となる。今回の施行で、自衛隊は重大なサイバー攻撃に対し、より早い段階から対処する役割を担うことになる。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。