米中関係からみる世界

あえて離脱したパリ協定、トランプ氏の言い分と中国当局の目的

2017/06/12 07:00

 トランプ米大統領は今月1日、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から離脱することを発表したことで、国際社会に大きな波紋を投じた。世界各国政府関係者や学者や主要メディアが相次いで、トランプ大統領の決定を強く非難した。

 欧州など他加盟国から辛辣な批判は避けられないと予見していたはずのトランプ大統領は、なぜ、あえて離脱したのかとの疑問が残る。また世界第2経済大国の中国当局は、国内大気汚染や環境汚染問題に一度も真剣に取り組んだことがないのに、パリ協定への支持を強くアピールしたのも非常に不可解で、何かの企みすら読み取れる。

トランプ大統領の「再交渉」で各国はなぜ怒るのか

 トランプ大統領は1日、ホワイトハウスで演説し、パリ協定は米国経済、産業、労働者、国民と納税者の利益に大きな害を与えると指摘した。大統領は、米国家経済研究協会の調査結果を挙げて、2040年までにパリ協定が原因で、米国の国内総生産(GDP)に3兆ドルの損失をもたらし、650万人の雇用を失うとの見解を示した。

 また、この協定には参加国に対して法的拘束力がなく、各国の二酸化炭素などの温室効果ガス(以下、CO2など)削減目標も大きく異なるため、トランプ大統領は「米国に不公平だ」として再交渉を望むと述べたが、フランス・ドイツ・イタリアの首脳は共同声明で、米国の再交渉を拒否する姿勢を示した。

 英BBC放送は、米国はこの協定の重要な資金源と技術提供者であり、トランプ政権の離脱表明は首脳たちを怒らせたと報じた。ではなぜ、各国の首脳は米国のパリ協定離脱に激怒したのか?

 パリ協定の内容によると、2025年までに先進国は毎年発展途上国に対して、エネルギー構造や工業化の技術向上を支援するため、約1000億ドルを資金提供しなければならない。

 在米中国人作家の何哲氏は新唐人テレビに対して、同協定内容によると、締結した150以上の国の中で「米国だけが毎年、全体の約75%を負担し、750億ドルを拠出しなければならない」と述べた。 

 また、中国経済学者の何清漣氏も大紀元に寄せた評論記事で同様に、パリ協定では、温暖化対策の目的で設立される「緑の気候基金(Green Climate Fund」の運営資金1000億ドルのうち、7割以上は米国が負担することになるとの見方を示した。

 これはトランプ大統領が「不公平だ」と主張する最大な理由だとみられる。

トランプ政権は、米国に不公平なパリ協定の再交渉を欧州に呼びかけたが、拒否される。フェリーから見るマンハッタン(DON EMMERT/AFP/Getty Images)

温室効果ガス削減目標は国によって違う  

 トランプ大統領が協定が「不公平」と強調するもう一つの理由は、協定が各国に求めるCO2など削減目標がそれぞれ違うことにある。

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