THE EPOCH TIMES

焦点:太平洋に中国軍事基地の可能性、米国や同盟国に警鐘

2018年04月14日 09時58分

Greg Torode and Philip Wen

[香港/北京 10日 ロイター] - 南太平洋の島国バヌアツは、大海の中の比較的小さな島々にしか見えないかもしれない。だが中国の軍事戦略家にとっては、中国の海軍力を誇示する能力を大いに押し上げる可能性を秘めている。

豪フェアファクス・メディアが10日報じたバヌアツに中国の軍事基地が建設される可能性は、南太平洋を長年にわたり事実上コントロールしてきた西側大国による戦略的支配を複雑にすると、事態を注視する外交官や専門家は指摘する。

フェアファクス・メディアは、中国がバヌアツに恒久的な軍事拠点を構築する意向を打診し、そのような施設が建設される可能性について、すでにオーストラリアと米国の両政府高官が警戒感を募らせていると伝えた。

バヌアツの外相は、中国の軍事基地を自国に建設することについて中国側と協議したことは全くないと、報道を否定。中国国防省も報道は「事実と全く一致しない」と発表。同国外務省報道官は「フェイクニュース」だと非難した。

世界の海を股にかけた米国とその同盟諸国の海軍力に匹敵するような外洋海軍を持つ野望を中国が実現するには、広範な基地と友好港のネットワークが不可欠となると、西側、アジア各国の大使館付き武官は口をそろえる。

そのようなネットワークは、平時には軍事力と影響力を示すのに役立ち、また衝突が起きた場合にも不可欠な存在となると彼らは指摘する。

領有権を争っている東シナ海や南シナ海を巡って中国本土に近い場所で局地的な衝突が発生した場合でも、例えば指揮艦を護衛したり、通商路の封鎖を破るため、本土からはるか離れたところから作戦を行う可能性もある。

バヌアツは主要な通商路からは外れ、インド洋の港ほど重要ではないものの、米国の主要同盟国であるオーストラリア沿岸部に近い。また、中国の戦力展開の目標ラインであるアジアの列島線の外側に位置する米軍のグアム基地近くにも、中国プレゼンスを示すことが可能となる。

オーストラリア国立大学の太平洋地域専門家、グレアム・スミス氏は、バヌアツに中国軍基地ができれば、オーストラリアや米国、両国の同盟諸国に強力なメッセージを送ることになると指摘。

「米国とオーストラリア両国に、『われわれがここにいることに慣れなさい』という非常に挑戦的なシグナルを送ることになる」と、同氏はロイターの電話取材で語った。

バヌアツは、南シナ海における中国の立場を認めた最初の国の1つであり、太平洋諸国では唯一の国である。

バヌアツのサルワイ首相は2016年の就任以降、中国を2度訪問しているが、オーストラリアへはまだ行っていないとスミス氏は指摘。その一因として「オーストラリア側から重視されていない」ことを挙げた。

「はっきり言って、私たちは(バヌアツのことを)十分気にかけてきただろうか」と同氏は語った。

<警鐘>

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