今年も「貧乏旅行」が目立った中国の大型連休

2024/05/10
更新: 2024/05/10

失業者があふれ、大学新卒者もほとんど就職できず、中国経済の惨状は現在も続いている。人々は、財布のひもを締め、この困難な時期を、なんとか乗り越えようとしているのだ。

今年のメーデー連休(5月1日~5日)は、昨年の「建国記念日」をまたぐスーパー・ゴールデンウイーク(9/29~10/6)の時と同じく、あまり費用をかけない「貧乏旅行」をする人が目立った。そして、1人当りの旅行消費額は過去最低記録を更新した。

今の中国国内消費低迷と内需の停滞は、一貫して「水増し」や「虚偽宣伝」を得意とする中国の公式データからでも読み解くことができる。

中国文化観光部の公式統計によると、今年のメーデー連休の観光客数の回復率は128%だが、毎日の一人当たりの旅行消費額は113元(約2430円)と2019年の同期間の151元(約3250円)の88.5%でしかなく、過去最低記録を更新した。

中国の大手証券「華泰証券」の調べによると、今年メーデー連休の初日(5月1日)天津市の55のショッピングセンターでは、客足は増えたものの、1人当たりの消費額は昨年より6%も減少した。

また、同じくメーデー初日の中国人気観光地の海南省では、免税商品の売上は昨年同期より34%減、買い物客の数や1人あたりの消費額などいずれも減少している。

空港のフライトデータも観光客が減っていることを物語っている。連休前4日間の海南省の空港の1日の平均旅客数は昨年同時期より約19%減少していることがわかった。

メーデー連休前から、中国のSNSでは「お金がないから連休中は家でおとなしくしてる、いかなる消費も拒否する」といった書き込みが多く見受けられた。

連休中も、「航空券価格の大幅な値下り」や「ホテル宿泊料金の暴落」といった状況が相次いでおり、これらのデータや現象からも、「中国の経済不況」や「連休中の消費低迷」が浮き彫りになった。

このほか、「低消費の貧乏旅行」の話題が中国SNSのトレンド入りし、熱い議論が交わされている。

多くの中国人は連休中、自家用車に乗って近場での旅行を楽しむが、「できるだけお金を使わないように頑張っている」という現象が目立った。

中国国内の消費は低迷しているが、一方で中国の富裕層は海外で爆買いしているようだ。

「今年の第1四半期、中国人は1人あたり30万円近くを日本で消費している」というトピックスが中国SNSウェイボー(微博)のトレンド入りした。

この現象に腹を立てた愛国主義者たちが日本でお金を使う中国人に対し、「外国に媚びるな」「(日本に)行ったらもう帰ってくるんじゃない」などと罵倒している現象もみられる。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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