THE EPOCH TIMES

中国社会に再び衝撃 検査不合格のワクチンが乳児数十万人に接種

2018年07月24日 13時33分

中国でこのほど、ワクチンメーカーの長生生物科技(長生生物)が製造した乳幼児の予防接種ワクチン「百日破」(DPTワクチン、ジフテリア・百日咳・破傷風の三種混合ワクチン)が販売基準を満たしていないと報じられた。問題のワクチンはすでに乳幼児に接種された。2008年毒ミルク事件の再来と喩えられ、事件は中国社会に衝撃を与えた。

同メーカーは他にも狂犬病ワクチンの不正が発覚していた。吉林省食品薬品監督管理局が15日、同省長春市に本社を置く長生生物に対して、狂犬病ワクチンの検査データの捏造(ねつぞう)が見つかったとして狂犬病ワクチンの生産停止を命じた。

20日、吉林省の薬品管理当局は、同社が2017年に製造したDPTワクチンが品質基準を満たさないまま、山東省疾病予防センターに販売したと発表した。このワクチンの対象は3カ月の乳児から6歳の幼児までだ。販売した数は25万2600本という。

吉林省当局は昨年10月27日にすでに、同社の製造状況について調査していた。しかし、中国国家薬品管理当局は吉林省当局が、最近まで調査結果を伏せており、不正ワクチンの自主回収を実施しなかった。

吉林省薬品当局は、長生生物に対して在庫のDPTワクチン186本を没収し、罰金344万2900元(約5853万円)の処分を科した。中国世論は「処罰が軽すぎる」と強く非難している。

一方、中国メディア「澎湃新聞」の22日の報道によると、山東省薬品管理当局の責任者が問題発覚直後、不適合ワクチンが省内に「どれぐらい残っているのか、どこの市・県に流通したのか、またすでに接種を受けた子供はどれくらいいるのかを、全く把握していない」と話した。

しかし、ネット上では弁護士の王鵬氏が22日、SNS上に写真などを投稿して、「山東省の関係部門は、昨年にはDPTワクチンに問題があることをすでにつかんでいた」と批判した。

中国国内メディアによると、他にもワクチンメーカーの武漢生物が製造するDPTワクチンは、当局の出荷基準を満たしていない。昨年11月に問題がすでに発覚したにもかかわらず、ワクチン40万本が四川省重慶市、河北省各地に流通した。そのうち、14万本がすでに乳児に接種された。二社の問題ワクチンを接種した乳児は39万人に上る。

親たち「国産ワクチンをもう接種しない」

報道は中国社会に強い衝撃を与えた。先週末、中国版Twitter「微博」では、関連キーワードが検索ランキングの2位となった。

ネット上では、「急いで予防接種記録を確認した」との声が殺到した。

中国元体操選手、シドニーオリンピック金メダリスト劉璇氏は22日、SNS微博で「食品と薬品の安全問題が頻発しているなか、われわれはどう生きていけばいいのか」と嘆いた。「これから香港に行って予防接種をする」「良心の欠けらもない国産ワクチンをもう信じない」「殺人ワクチン」「国産粉ミルク、国産ワクチンは全部毒物になった。国産の何を信用すればいいのか」とのコメントもあった。

さらに、「泣く以外、他にできることがあるのか」「(秦末に農民の反乱を起こした)陳勝と呉広は今どこにいるのか」など現状を悲観視する声が広がっている。

08年に中国では、国内外を震え上がらせた毒粉ミルク事件が発生した。化学物質が混入された粉ミルクを飲み、約30人の乳児が死亡し、30万人の乳幼児が健康被害を受けたと報じられた。金もうけに目がくらんだ粉ミルク会社の経営者によって、罪のない子供たちの命が脅かされた。

今回の不適合ワクチンも同様のケースだ。「不正ワクチン」は直接人命にかかわるため、毒粉ミルクより悪質だと非難する声が上がっている。

自媒体(個人が運営するメディア)の「三諦雲一」が掲載した評論記事では、「ワクチンは公共医療分野に属するため、生産企業から政府の関係機関、監督管理当局まで管理システムが非常に重要となっている。しかしこの膨大なシステムは全く機能していない」とし、事件の背後にある根強い官商癒着を批判した。

同記事はまた、道徳水準の低下で中国企業の拝金主義が、毒粉ミルクや偽ワクチンなどの問題の根本にあるとの見方を示した。

当局が報道・ネット規制

関連キーワード
LINE NEWSに『中国の今を伝える 大紀元時報』を登録する方法
^