中国・重慶の動物園で、ひとりの女性が思わぬ追跡劇の主役となった。
女性は自家用車で「猛獣ゾーン」に入ったところ、トラは興味津々で、女性の車をロックオンし、次の瞬間には本気の追跡モードに切り替わった。
逃げる車、飛びつく牙。まさに「リアル狩りごっこ」だが、乗っていた女性は生きた心地がしなかっただろう。
幸いドライバーにけがはなかったものの、車の後部には噛み跡がくっきり残った。「食べ物なんて積んでないのに…」と本人も首をかしげるほどの状況だった。
映像はすぐに話題となり、中国のネットでは「よく無事だった」「窓割れたら終わりだぞ」と総ツッコミ状態。
実際、トラの咬合力は動物学の実験値で数千ニュートン(骨を砕くレベルの咬合圧)に達するとされる。つまり、トラが本気で噛めば、一般的な乗用車のドアや窓ガラスは十分に破られる可能性があり、「安全地帯」とは言い難い。
中国では自家用車で猛獣ゾーンを走れる園が多いが、過去には下車した人が襲われ死亡する事故も起きている。
なぜ「自分だけは大丈夫」と思ってしまうのか。不思議なことに、どの国にも一定数こうした「根拠のない自信」を抱く人たちがいる。とりわけ中国では、なぜかその割合が少なくないように見える場面もあり、この自信がどこから湧いてくるのかは謎だが、猛獣相手に限っていえば、その楽観は命取りになりかねない。

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