中国、陳情事件過去20年500倍に増加

2005年11月02日 10時57分
 【大紀元日本11月2日】中国国務院の「投書・陳情条例」は、各地の公安・司法機関は必ず「投書・陳情」の扉をあけて、多くの人々が助けを求める直訴と陳情を受け入れなければならないと規定している。過去20年で、中国の裁判所には、民衆の来信来訪事件の受付が500倍に増加した。中国国家信訪局も、民衆の「投書・陳情」総数は、現在、依然として増加していると認め、しかも八割以上の問題が理屈にあわず困難で、解決しなければならない問題である。2004年の調査によれば、実際に陳情を通して解決した件数はたったの1000分の2だという。 米国VOAが伝えた。

 中国国務院が発布した「投書・陳情条例」では、民衆は政府に意見を訴えることが許可されている。しかし、北京に直訴に行った多くの人々は、政府の冷ややかな対応を受けただけでなく、時には送還・拘禁されたり、更には殴られたりして、ぬれぎぬを晴らす扉がどこにあるのかと、落胆している。

 ある失業者は長年、給料をもらえなかったため、何度も陳情に市委員会に行ったが、受け入れられるどころかかえって殴られた。中国共産党の党員の彼の話では、中国共産党の党規約では、党員は上層部に情況を反映することができ、さらには中央機関にもできるとなっている。いわば、中央機関を含めたいかなる組織にも情況を反映することができるのである。 ところが、彼は政府の担当者に「おまえみたいな党員なんかくそったれだ」と投げ付けられた上、叩かれて傷まで負った。

 北京に陳情に行ったある失業者は、家屋購入契約のトラブルで裁判所の世話になったことがあるという。 彼は、裁判所の所長が関与して、前に裁判官が下した勝訴判決を敗訴に変更された。このことを通して、司法制度の欠陥が見えたと彼は指摘した。

 中国では、行政あるいは党・政府の権力は法律まで凌いで、権力者一人の意志が、法律制度を凌駕するという。彼に勝訴判決を下した裁判官は、彼に勝訴判決を出したが、所長に駄目を出されたため、従わなければならないと言ったという。

 専門家によると、投書・陳情制度は中国行政制度の一大特色だが、しかし完全に法律制度に取って代わることは不可能であり、また、投書・陳情機関は、結局、行政機関に取って代わることができないという。投書・陳情制度は民衆が抱える問題を解決するどころか、かえって更に多くの問題と悩みもたらすことになっている。多くの問題が法律と行政部門に関連するため、正常な訴訟手続を通して問題解決しなければならないと北京のある社会学研究員の指摘している。

 中国では現行の「投書・陳情機関」は秩序がなく雑多であり、「投書・陳情機関」間の調和能力には限りがあり、効果的制約に欠けている。

 各々相当する「投書・陳情機関」には適切な監督機関がないため、投書・陳情案件は幾重にもまわされ、増える一方で、様々な問題と矛盾は最終的には中央機関に集中する。しかし、中央機関は問題を解決する能力がないため、更に多くの問題と弊害が現れる。

 中国では今「調和がとれている社会」、「人間本位」と「法律に基づいて国を治める」を強調しているが、絶え間なく出現している急激な陳情の高まりをいかに鎮め、迅速な助けと公正な処理をするかは、政府が直面している重大な改革と挑戦である。

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