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日本の地方財政、自治体間格差で流動性管理が重要=S&P

 スタンダード&プアーズ(S&P)は、日本の自治体財政について、1998年頃のもっとも厳しい状況に比べて改善しているとみているが、個別にみると自治体間の格差が開いてきており、自治体の流動性管理が重要との見解を示した。事実上の財政破たんに陥った北海道夕張市は極端な例とはいえ、S&Pは、自主再建が困難になるケースが今後も出てくると予想している。リポート「夕張市財政破たんにみる流動性管理の重要性──自治体と銀行の信用力に与える影響」の中で発表した。

 夕張市は、地方財政再建促進特別措置法に基づき国の管理下で再建を進める準用財政再建団体への指定申請を表明した。同市は黒字決算を維持する一方で、普通会計決算に記載されない一時借入金を膨らませ、それを含む負債総額は標準財政規模(約45億円)の約14倍にも達していた。

 S&Pは2004年から、契約者向けの信用力分析サービスの1つとして、公募団体を中心に自治体の信用力評価を実施し、リポートを作成している。その対象33自治体の信用力評価は現在AA─からAの範囲にある。

 これらの自治体については毎年、信用力評価の見直しを実施しており、夕張市のような巨額債務が隠れているリスクはないとみていることから、S&Pは、夕張市の破たんを受けて信用力評価を変更することは考えていない。一方で、S&Pは、自治体の民間資金調達を取り巻く環境は変化してきており、どの自治体も一様に潤沢な流動性をいつでも確保できるという状況ではなくなりつつあると指摘。夕張市の破たんによってその流れが加速する可能性もあることから、これまでの流動性管理のやり方を継続するだけでは、信用力評価の低下を避けられない自治体

(ロイター7月24日=東京)

 (06/07/24 16:59)  





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