政府が紙幣刷新、2024年度発行へ 1万円札に渋沢栄一

2019/04/09
更新: 2019/04/09

[東京 9日 ロイター] – 政府は9日、1万円、5千円、千円の紙幣(日本銀行券)を全面的に刷新すると発表した。2024年度上期の発行を目指す。1万円札の肖像画には渋沢栄一、5千円札には津田梅子、千円札には北里柴三郎を採用する。5百円貨幣も改鋳し、21年度上期発行の予定。紙幣は偽造防止のためほぼ20年ごとに刷新しており、今回もその一環となる。

会見した麻生太郎財務相によると、新紙幣は印刷に2年半、自動販売機などの対応に2年半が必要となるため、この時期に発表した。改元のタイミングを考慮はしていないという。

新たな偽造防止技術として、高精細なすき入れ模様やホログラムを採用。視覚障害者が使いやすいよう指の感触で識別できるようマークの配置を工夫している。

肖像画の採用基準は、「1)精巧な写真が現存、2)品格のある顔、3)広く知られ業績が認められている、明治以降の人物」(麻生財務相)で、財務相が判断し、安倍晋三首相の承諾のもと選考した。

渋沢栄一を採用した理由について麻生財務相は「日本の資本主義に対する功績が極めて大きい」ためと説明。津田梅子・北里柴三郎については女性活躍、科学技術など現代日本に通じる功績を評価した。

前回の改札で据え置かれた福沢諭吉の描かれた1万円札を変更するのは「偽造防止のため」、2千円札を改札しないのは「流通枚数が極めて少ないため」(麻生財務相)という。改札は自販機対応などの波及効果があるが、財務相は「景気刺激を考えてはいない」としている。

(竹本能文)

Reuters
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