米軍 豪州に海兵隊の武器備蓄拠点を計画 中共の軍事拡張に対抗

2026/06/17
更新: 2026/06/17

入札資料によると、米軍はオーストラリア南東部の海岸地域に、海兵隊向けの恒久的な武器備蓄拠点を設ける計画だ。関係当局者がAFPに認めた。米海兵隊がオーストラリアにこうした備蓄を置くのは初めてで、オーストラリアの戦略的位置を活用し、インド太平洋地域で軍事拡張を強める中国共産党(中共)に対抗する狙いがある。

米海軍が今月公表した資料によると、オーストラリアで進められる大規模な備蓄計画は、実施に向けた具体的段階に入っている。米側は、前方配備を支える補給体制を整えるため、ビクトリア州南東部に倉庫と事務所を建設する費用として3千万ドルを拠出した。

この備蓄は2028年に最大規模に達する見通しで、現在は物資をメルボルンに保管している。来年には、ビクトリア州のバンディアナにあるオーストラリア軍基地へ正式に移される予定だ。米軍は同施設を管理するため、国際的な防衛請負企業を通じて、約110人の技術者と警備専門家を雇用する。備蓄物資には、複数乗組員で運用する重火器も含まれる。

米海兵隊は冷戦期から、ノルウェーの洞窟や海上の浮体式倉庫など、世界各地に軍需物資をあらかじめ配備してきた。現在は地政学的リスクの高まりを受け、インド太平洋地域の後方支援網の再編を加速させている。

オーストラリアに加え、アジア太平洋地域で初となる陸上の備蓄拠点は、南シナ海の緊張地域に近いフィリピンで今年稼働する見通しだ。米国防総省はまた、中共への抑止力を高めるため、アジア太平洋地域で装備や燃料の事前配備を改善する目的で、来年度に5億ドルの予算を議会に求めている。

中共の軍事的野心を全方位で抑止

今回の配備先がオーストラリア南東部に選ばれた背景には、近年インド太平洋地域で急速に高まる中共の軍事的脅威に対抗し、これを抑止する狙いがある。

中共は南シナ海で大規模な埋め立てを行い、防空ミサイルや対艦システムを配備している。シンクタンク、ローウィー研究所の最新報告書は、中共が南シナ海の前哨基地から弾道ミサイルを発射し、オーストラリア北部を直接攻撃する能力をすでに備えていると警告した。

これにより、長年にわたり米軍のローテーション展開を受け入れてきた北部の都市ダーウィンが直接的な脅威にさらされることになり、米軍が武器備蓄を南へ移す要因となっている。

オーストラリア国立大学のジョン・ブラックスランド教授は、中共の長距離打撃能力が高まるなか、太平洋における米軍の中核基地であるグアムが極めて高いリスクに直面しており、オーストラリア南東部の安全上の奥行きは「ますます重要な意味」を持つようになっていると指摘した。

この地域は中共の多くのミサイルの射程外に位置するとみられ、米軍が中共の拡張に対抗する新たな足場にもなっている。

一方、オーストラリアの法律は外国による国内での軍事基地設置を認めていない。そのため、米軍の備蓄物資を長期的に置く今回の計画は、国内で政治的に敏感な問題となっている。

シンクタンク専門家のサム・ロゲビーン氏は、オーストラリアにおける米軍の戦力や装備の拡大は「オーストラリア国防政策の重大な転換」だと述べ、これによりオーストラリアはアメリカの戦略目標とより緊密に結びつくことになると指摘した。

ブラックスランド氏は、オーストラリア政治が自国の国防支出を大幅に増やす意向を示していないなか、米軍によるオーストラリアでの軍事インフラ投資を後押しすることは、中共の脅威に対応するうえで最も現実的かつ慎重な方法として広く受け止められていると分析している。

李言