THE EPOCH TIMES

≪縁≫-ある日本人残留孤児の運命-(44)「掃討隊に吊るし上げられた養母」

2008年08月06日 00時00分

 外の雪はますます激しくなってきました。私はそのとき家で一人、本当に不安でした。普段、養母に折檻されたときは、養母のことを本当に恨みましたが、今日は彼女が可愛そうになり、吊るし上げられるのではないかと心配でした。

 私は不安のまま窓にもたれかかり、外を見ていました。表門は大きく開かれ、中庭には既にたくさんの雪が降り、地面は真っ白になっていました。そのとき、表門の外から数十人の人が、養母を縄で縛り上げて中庭に入ってきました。養母はそこに跪かされました。周りを多くの人が取り囲んでいます。その中には隣近所の人たちも混じっていました。「見物」に来たのです。

 私からは養母が見えず、打たれたときの叫び声だけが聞こえました。私は怖くなり、自分の部屋に身を隠そうと思いました。ところがそのとき、何人もの人が家のドアを開けて中に入って来ました。彼らは、養母の部屋に入り、箱をひっくり返しながら何か探していました。次に、私の部屋にも入ったのですが、オンドルの上に干してあるトウモロコシの粒と巻き上げた布団を一瞥すると、何もせずに出ていきました。

 そしてまた中庭に引き返して、養母を打ち据えながら何か問い詰めていました。そのとき、日は次第に暮れ、雪もますます激しくなっていました。その人たちは、何かわめいていましたが、よく聞き取れず、ただ養母の叫び声だけが聞こえてきました。

 そのうち、何人かが建物の裏へ回りました。その瞬間、私は心臓が飛び出しそうになるくらい驚きました。積み上げた薪の下に養母の貴重品が隠されているのを知っていたからです。私は部屋からガラス越しに外を見ましたが、人の騒ぐ声が聞こえるだけでした。

 しばらくすると、その声も次第に遠ざかっていきました。私はそっとドアを開けて外を見ると、中庭には数人残っているだけで、その人たちも中庭から出ていくところでした。その人たちはそりに乗って去っていくのがかすかに見えました。

中庭には養母だけが残され、跪いて泣いていました

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