【大紀元日本11月5日】
昔、北方の胡(こ)との国境近くに城塞があり、そこに占いの上手な老人が住んでいた。ある時どういうわけか、その老人の馬が胡のほうへ逃げていってしまった。近所の人々は気の毒がって老人をなぐさめに行った。ところが老人は残念がっている様子もなく「このことが幸福にならないとも限らないよ」と言った。
そして数カ月経ったある日、逃げ出した馬が胡の良い馬をたくさん連れて帰ってきた。そこで近所の人たちがお祝いを言いに行くと、老人は首を振って言った。
「このことが禍(わざわい)にならないとも限らないよ」
しばらく経ったある日、乗馬が好きな老人の息子が馬から落ちて足の骨を折り、不自由な体となってしまった。近所の人たちはかわいそうに思ってなぐさめに行くと、老人は平然と言った。
「足の骨は折ってしまったが、命は助かった。このことが幸福にならないとも限らないよ」
1年が経ったころ、胡の国の人たちが攻め入ってきて、戦争になった。城塞近くの若者はすべて戦いに行き、その多くは死んでしまった。しかし、老人の息子は足が不自由なため、戦いに行かずに済み、無事だったという。
「人間」(じんかん)とは、世間という意味で、「塞翁」とは城塞に住んでいる老人を指す。 【人間万事塞翁が馬】(じんかんばんじさいおうがうま)とは、「城塞に住む老人の馬がもたらした運命は、福から禍へ、また禍から福へと人生に変化をもたらし、世間の禍福は予想がつかない」というエピソードである。
(翻訳編集・柳小明)
(09/11/05 05:00)
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