THE EPOCH TIMES

【党文化の解体】第8章(10)

2011年10月16日 10時11分
 【大紀元日本10月16日】

3.党に符合しない観念は危険な意識

 「このような話はこれから止めてくれ、特に外で言ったら駄目だ」、「あなたの考えは反政府的で、とても危険なので、考えないほうが良い」、「気をつけよう、このような危険な話題に触れると、あなた自身に良くないのだ」、「話題を変えようか、今の話題はとても危険だ……」。

 これらは中国人の生活の中でよく聞かれる話である。中国共産党の観念に合わない思想について、人々は非常に敏感になっており、それは危険な禁止区域となっている。

 1)至るところに存在する「危険な意識」

   中国経済の改革と開放の初期、ある台湾の歴史学者は中国本土で開かれた学術交流に参加した時、中国共産党に歪曲された歴史、特に日中戦争で国民党が日本軍に抵抗した歴史について発言した。当時の司会者で同じく有名な歴史学者は、これを聞き終わった後、「あなたには発言する勇気があるが、我々には聞く勇気がない」と言った。

 海外にいる間にはじめて法輪功の数千人のパレートを目撃した某学者はこのように自分の感想を述べた。「パレートを見ながら、無意識に自分の頭のてっぺんから一本のアンテナが伸びた。私がここで言った一言一句を、太平洋の対岸まで密告されたか、そのアンテナが探偵している。密告されたら、私は帰国後にきっと面倒なことに遭われる。今、私の口と足がぶるぶる震えている。本当の心境さえ自由に言い出せない中国人としての苦難を痛感する!」

 二〇〇四年、民間人による江沢民告訴の集会がカナダで開かれ、主催者はある年配の知り合いに参加の誘いを出して、その知り合いはこう断った。「十七、八年前に中国を離れてから、私は一度も帰っていない。生きている間に一度帰ろうと思うので、明日の集会に行くと、もし万が一密告されたら、私の人生はきっと終わりになる」。彼は七十六歳でカナダに十六年も暮らしていたが、心は依然として真の自由になっていない。

 香港ではじめて『中国共産党についての九つの論評』を見たある女性観光客は、第一の反応として、「この人たちは本当に大胆だね、こんな『反動的』な話を言って、国内にいたらとっくに捕まえられているわ」。見たものは中国共産党の観念に合わないと彼女は知っているため、たとえ海外にいるとしても、やはり「危険」だと判断して、「本能的」に避けようとしたのだ。

 高圧電線、火事、蛇および信号を守らない行為などは危険だと、みんな知っている。これらの物事に対して人々は「危険な意識」を持っている。しかし、これらは目に見えるもので、怖くても避けることができる。目に見えるものより、時々人間は目に見えないものをもっと恐れる。共産党は長年の恐怖統治を通じて、中国国民の心の中に「検察官」を置いて、四六時中、国民の思想を監視して抑制することに成功した。中国人は誰でも多少共産党の観念に合わない思想を持っている。いったん「危険な意識」が生じると、どこにも逃げられない絶望感に包まれて、それで、万が一でも共産党の懲らしめる対象になる恐ろしい結果を予想して、いっそう恐怖心が強くなるのだ。

 現在の中国で、「政治に参与する」というレッテルを貼られることを恐れる心理は一つの代表的な恐怖心といえよう。孫文によると、政とは一般大衆のことであり、治とは管理することであり、ゆえに政治とは一般大衆を管理することである。中国の古代から、学識と能力を持つ者は国家を管理できる人材であるとされ、祖先の名を上げる名誉な事と見なされてきた。中国の歴史上には、諸葛孔明、李世民のような有名な政治家が多くあって、「政治家」はどんな時代においても名誉ある意味合いの言葉である。

 しかし、現在の中国人は「政治」という言葉を耳にすると、抵抗ないし恐怖心が生じる。正当な権利を守る行為、社会の現象と政策に対する意見、共産党を議論すること、すべて中国共産党に「政治に参与する」というレッテルを貼られる。「政治に参与する」というレッテルは、中国共産党が自分と異なる意見を持つ人に打撃を与えるための道具となり、このレッテルを被る人と団体を国民は危険分子だと思い、遠ざける。

 中国人は「政治」を危険と思うが、ずっと政治の中で生活している事実は、本当に皮肉なことだ。中国ですべての物事は政治に先導されている。学校にいわゆる「思想道徳」の授業があり、大学、就職、軍隊に入ることまで、すべて政治審査を受けないといけない。大きな社会事件が発生する時、みんな立場を表明しないといけない。四十年前に、家で少量の野菜を植えて、数羽のニワトリを飼うことでも政治問題と見なされ、「資本主義のしっぽ」として禁止される。毎回の運動でみんなの勢いについていかず、「政治上積極的に進歩を求めない」人はよく差別される。共産党は政治そのものに反対するのでなく、党と一致するかどうかを見るのである。党と一致すれば、どれほど大規模に「政治に参与しても」正しくて、党と一致しない場合、政治範疇でないことでも「政治に参与する」というレッテルを貼られる。

 2)党文化による「心の牢獄」

 中国の民話に、「生まれたばかりの子牛は、トラを恐れない」、なぜなら子牛はトラを見たことがないから、というものがある。しかし、中国人の多くは中国共産党の直接的な迫害を受けていないが、「危険な意識」を持っている。どうしてだろう?党の観念に合わない考えは危険だと思わせ、党文化が中国人の心の中に牢獄を形成したのだ。

 心理学から言うと、「危険な意識」は強迫観念から生まれるものである。人間の頭の中で考えていることは他人に知られていないのに、怖がるのはなぜだろうか?人間の言論と行為は思想の指揮を受けるもので、思想の中に党の観念に合わないものがあっていつか口を滑らすと、中国共産党に懲らしめられるのではないか、と思ってしまうのだ。 歴史上、このような目に遭った人はたくさんいる。そこで、自分を守るために、党と一致しない考えさえ断ち切ることにした。自分だけでなく、家族にまでこう教育する。社会全体はこのような雰囲気になり、この雰囲気はまたこの「危険な意識」を強化した。

 この「危険な意識」は中国共産党による長期にわたった高圧統治と思想注入の結果だといえよう。

 中国共産党は設立以来、政権を強化するために、周期的に運動を起こして、国民を鎮圧して殺して、国民に恐怖感を与えている。中国共産党が歴史上使った様々な残酷な手段は、国民に深い恐怖を与えた。中国共産党は全国民の生殺与奪の権力を握って、その迫害手段は計り知れないものである。党と異なる意見を持つ人は経済、名誉、精神的、肉体的など各面から抑圧と迫害を加えられ、ないし命を奪われる。共産主義の邪説を信じない、不満に思う、一党独裁を批判する人は必ず「反革命」の重罪に問われる。たとえその党の高官であっても、党と一致しないと残酷な粛清に遭う。

 二十一世紀になった今日でも、中国共産党は依然として密告者、暴力団を駆使して暗黒な高圧統治をしている。情報封鎖、盗聴、「文字の牢獄(検閲)」、でっち上げの罪名で合法的に抗争する民衆を逮捕、海外からの帰国者を監視、大金をかけて海外まで共産主義を輸出、などはその手段として挙げられる。

 (続く)

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