THE EPOCH TIMES

【鼎談】中国経済はどこへ (二)

2012年01月27日 09時31分
 【大紀元日本1月27日】現在、全世界が不景気で、かつての三大世界経済地区・米国、ヨーロッパと日本はいずれもそれぞれ危機にある。一方、注目されている中国経済がどうなるかについて、学者達は互いに異なる見方をしている。ある人は中国の経済成長は緩やかになっているが、依然として未来の世界経済の希望とみており、またある人は中国の経済には構造的問題が存在し、間もなく崩壊するとみている。

 大紀元グループ傘下の週刊誌『新紀元』の臧山編集長は昨年末、経済コラムニストの廖仕明氏と、もう1人の中国経済学者(匿名、文中表記は沈先生)と、中国の経済についてビデオ対話を行い、それぞれの意見と見方を交流した。以下はその内容である。

 低迷の主原因は 分配の不公平

 臧山 以下・臧:中国の輸出増加が緩慢になり、投資の大幅増加もないので、後は国内の消費を刺激するしかない。

 廖仕明 以下・廖:中国国内消費のGDPに対する貢献がすでに40%以下まで下がっており、正常の国なら70%だ。理論上では確かに大きい空間はあるが、消費を刺激することは容易ではなく、ここ数年来ずっと言っているが、ぜんぜんうまくいっていない。

 沈先生 以下・沈:2年前には「家電下郷(家電の農村普及政策)」をやって農村の消費を刺激すると言っていたが、だめだった。中国住民の国内消費の弱さは国内では共通認識になっている。なぜなら家屋、医療、教育という三つの大きな重荷が民衆をおさえており、消費する勇気を無くしている。

 臧:外部の人は中国の経済をみても分からないが、内部の人は常套の言い方がある。中国経済のここ数年の成長は、私からすれば、実際その中の大きい割合が計画体制の非貨幣経済が貨幣経済に転化した結果に過ぎない。例えば教育については、以前も決して教育がないのではなく、ただ以前無料だったものが今料金徴収制になり、いわゆる密かな補助が公のお金になった。以前子供が学校へ行く時は、1年間でわずか20元だったが、今は1千元余りで、GDPにも反映されて約10倍の増加となった。医療と不動産も似たようなものだ。

 問題はこの過程が公平ではなかった。以前は政府の都市での福利支出だったものは、現在都市住民の収入になり、農村の住民にはない。従って、農村からの臨時就労者の子供が学校へ行く時、納める授業料はより高く、病気の時よりも多くの金を払っている。また、都市住民の不動産購入の平均価格は農村の住民より低く、きわめて不均衡な財産分布になっている。

 中国の今の制度は、不足をより損なわせ、余剰をなお補っており、貧乏人が金持ちを補助し、権力のない人が権力のある人を補助している。たとえば局クラスの官吏は、家宅を買ったり、病院に行ったり、子供の就学など、一般の人より少ない金で済み、社会福祉(中国では公務の補助金という)ももっと多い。金持ちもしかり。これは中国の財産が少数の者に迅速に集中することをもたらし、貧富の格差があまりにも著しいので、国内の消費が増加することはない。

 沈:そのとおりだ。今年中国国内の消費は17%増加したが、インフレを差し引けば、ほとんど増加がない。しかし豪華な贅沢品の消費は3割も増加した。著しい貧富の格差がもたらした一大結果だ。

 廖:不動産の下落は金持ちに対して大きな影響があるか。

 沈:必ずしもそうはならない。恐らく貧乏人に対して大きな影響があるだろう。

 臧:米国も同様な情況だ。

 中小企業の経営難 失われる経済活力

 沈:最大に影響を受けたのは不動産開発企業、銀行と地方政府だ。中国人学者の計算によると、10年に中国の地方政府の土地売却による収入は、地方財政歳入の70%を占めたという。そのため、中央が住宅価格を調整しようとした時、不動産業者、銀行と地方政府はいずれもご機嫌斜めであった。先月上海のある不動産業者は40%値下げして住宅を売ろうとしたが、上海市政府は焦りだし、「値下がり制限に関する通知」を出し、20%値以上の値下げは必ず政府の許可を得なければならないと規定した。

 過去の10数年間、上海市の土地関連の財政収入は最もすごい。今年住宅の価格が下落し、土地が売れなくなったので、財政は間違いなく問題が生じる。今みんな感じているが、来年不動産価格はまた引き続き下落するだろう。

 廖:下落幅は恐らく小さくないだろう。

 90年代に多くの中国大陸の地方政府はチームを派遣して香港を訪問し、香港の管理経験を学ぼうとした。ほかのものは身につけられなかったが、土地の売却による金儲けの方法を習得した。実は香港は人が多くて土地が少ないから、住宅価格の急騰が起こるが、中国はそうなってはいけない。

 沈:1995年に朱鎔基は財産税の改革を行ない、国税と地方税に分けた。地方政府の財政は地方企業からの税収だけではぜんぜん足りないので、住宅制度改革に頼り土地に頼って金を見つけだすしかない。

 胡鞍鋼氏らは90年代に、中国政府の財政収入がGDPに占める割合が11%で、国家の能力は低いと一つの報告を出し、政府の財政収入の占める割合を増加するよう求めた。その結果、今まで16年連続で、中国政府の財政収入の増加速度はGDPデータの2~3倍を上回り、10年には20%を上回った。しかし、国家としての能力は高まっていないようで、公務員の給料と公金による消費だけが上がった。

 最も深刻な問題は、政府の財政収入が増加した後、教育と医療の保障に関する費用を増やさず、経済に投資したことだ。公共建設の投資はさておいて、大型の国有企業はみな膨張を始めた。中国の輸出額はこれほど大きいのに、今年の世界ベスト500の大手企業の中に入った中国の企業は、輸出企業が1社もなく、また私有企業もなく、すべて国有企業だ。

 郎咸平氏によると、中国市場で販売された最終生産物の価格の中で、70%は政府の税収だという。言い換えると、中国政府は高額の税収でもって、いわゆる超大型国有企業を補助しているのだ。私は国有企業を助けてはいけないと言っていないが、このような市場環境の中で、中国の中小企業の生存はきわめて困難だと言っている。

 (続く)

^