THE EPOCH TIMES

軍当局者によるCA暴行事件 官製メディアを巻き込む社会問題に

2012年09月05日 10時50分
暴行を受けたCA(微博より)

【大紀元日本9月5日】中国では、飛行機の客室乗務員(CA)が乗客からささいなことで因縁をつけられ、暴行を受けるという事件が多発している。このたび軍当局者がCAに暴行した事件では、権威者により闇に葬られていた事件の真相を調査するため、官製メディアまで巻き込むという大きな社会問題になった。

 事件は8月29日、合肥発、広州着の中国南方航空CA3874便で起きた。妻子を連れて搭乗した男性客はCAに自分たちの荷物を頭上の荷物棚を載せるよう要求、CAは男性の荷物が通路を遮断していたため、後座席の乗客を先に通してから荷物を載せると答えたところ、一家は突然興奮し、荷物棚に置いてある機内搭載機材を移動して自分たちの荷物を置けと言い始めた。しかし機材は固定されたもので動かせないと拒否すると、CAを罵りだし、やがて荷物で殴るなど身体的暴行を加えた。

 CAは、証拠として負傷した部分を携帯電話のカメラで撮影した。その様子に気づいた男性は携帯電話を強奪しようとユニフォームが引き裂けるほどCAの体を強く引っ張った。

 CAは、飛行機が広州に到着すると、一連の暴行について警察に通報した。両者は事情聴取を受けた。

 同日夜、CAはインターネットで支持を得ようと、ことの事実を公表した。ミニブロッグ・微博にけがの写真や破れたユニフォームなどを掲載した。その書き込みによると、暴行を受けている間、男性は「警察はどうすることもできない。俺を拘束できない。俺は軍隊の人間で、人民代表大会のメンバーだ」などと恫喝したという。このエントリは何十万も転送され、大きな注目を集めた。

 暴行した男性はネット利用者が調査したところ、広州市越秀区武装部政治委員の方大国氏であることが分かった。

 同乗者の目撃情報では、方氏は中国南方航空側を脅かすために、到着後に軍車両2台を空港に呼んだという。また、一家の近くに座っていたアフリカ国籍の学生の話では、酒の匂いが強烈にするほど酔っていたという。妻は、CAから暴行を受けたと偽るために自身の腕に引っかき傷を作っていたこと、子供に対して、CAが最初に暴行を加えたと警察に証言するよう命じていた、ということも明らかになった。

 越秀区当局は調査の結果、「方氏はCAに暴行していない」と発表した。目撃者が述べた当時の状況と越秀官方の調査結果が非常に異なっており、調査結果は、方氏は軍用車で脅しておらず、双方はすでに和解したと説明した。

 意外なことに、CAも微博で、「方氏から誠実な謝罪を受け、事件は解決した」と述べた。ネットユーザーたちは、あっけなく事件の終止符を意味する発言に驚いた。「真相はまだ闇の中じゃないのか?」と口々にユーザーは呟いた。

 一連の騒動に社会で大きな反響を呼び、共産党機関紙の人民日報が公式ミニブログで事件の真相を求める書き込みを掲載した。国営新華社通信も調査結果を疑問視し、ミニブログを通じて情報提供を呼びかけるなど政府メディアを巻き込む事態となった。「ウォルストリートジャーナル」もこの事件を報じ、「新華社が(権威者の罪を)認めるのは非常に稀なこと」と伝えた。

 不動産業界の有力者で社会問題を厳しく追究することで知られる任志強社長はこの事件について微博でこう述べた。「抵抗しないなら自由はない。立ち上がらないならずっと真実は闇の中。闇は、次はあなたに訪れるかもしれない」

 3日、方氏が職務停止され調査を受けていると国内メディアが伝えた。

(翻訳編集・佐渡 道世)


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