中国刑務所の「地獄絵図」 元収監者ニュージーランド人が証言

2013年03月27日 13時18分
中国での刑務所の様子を訴えるダニー・ケンシャンさん(動画スクリーンショット)

【大紀元日本3月27日】過失殺人の罪で中国の刑務所で4年間を過ごしたニュージーランド人は、集団暴行や長時間の労働、過酷な生活環境など、知られざる刑務所の現状をインターネットの動画サイトに晒した。

 事件は2008年11月に起きた。ビジネスマンのダニー・ケンシャンさんは広州郊外のレストランで仕事仲間と食事中、「外国人だから」と因縁を付けられ暴行事件に巻き込まれた。もみ合いのなかで相手が死亡した。裁判でケンシャンさんは正当防衛を訴えたが受け入れられず、過失殺人罪で5年の懲役刑に処された。昨年11月29日、減刑により早期釈放されニュージーランドに戻った。

 帰国後、「中国の真実を伝えたい」との思いでケンシャンさんは過酷な中国の刑務所での状況を自筆で白いプラカードに記し、それを掲げて写真で撮り、連続に繋げて動画を作成。動画サイト・ユーチューブ(YouTube)で公開した。モノクロの動画に無言の厳しい表情のケンシャンさん。誤字が多いのは「言葉の綴りでさえ、耐え難い刑務所生活の中で忘れてしまった」ためだと動画説明にある。

 動画では「地獄絵図」のような刑務所の様子が伝えられる。ケンシャンさんは初めの16カ月、広東省福山区の拘置所に収監された。50人が一つの部屋に押し込まれた。部屋には24時間電気がついており、大きな換気扇2つが常に回っていた。同室のタバコの煙により、持病の喘息が悪化し、何度か病院へ行った。体重が激減した。

 後に東莞刑務所に移った。一つの部屋を18人が共有し、ダブルベッドに2人で就寝した。時々、トイレが詰まると、そこから排泄物が溢れ出し、汚臭で寝ることが出来なかった。シラミやゴキブリ、ねずみが這い回り、寝ているときに噛まれるのは日常茶飯事だった。

 「食べ物は恐ろしくまずい。吐き気したくなるほど臭い。刑務所側はよく病死の豚や家畜を仕入れきて収監者に食べさせている」。刑務所内では赤痢が流行っていた。結果、4年間の刑務所生活で20キロ痩せた。

 1000人の収監者に対し1人の看守がつき、暴力と脅しで管理している。「人の道を踏み外した人間を更生させるなんて、とんでもない。看守たちに暴行されて死亡する人や重度の障害を残す人もいる」「スタンガンが口の中に押し込まれて、電気ショックを受けたこともある」「毎週、自殺者が出ている。だれもこんなことを気にしない」

 あるとき、殴ってきた看守に暴力で逆らったケンシャンさんは小さな独房に2週間入れられた。「部屋の地面に掘られた穴はトイレ。朝7時から、腕を組み、足を組みながら地面に座りることを強要された。体を動かすことは一切許されない」。また、夜9時から就寝するが、20分間ごとに起こされるという睡眠妨害を受けた。看守からは「何か『間違ったこと』をしたり、言ったりしたら、電気ショックを加えてやる」と脅された。

 それだけに留まらない。収監者たちは長時間の労働を強いられているという。「毎日朝5時に働きはじめ、夜7時に終業。従わなければ、暴行、電気ショック、唐辛子水スプレーなどの暴行を受ける」

 製造しているのは、大手航空会社の機内用イヤホン、電子部品などである。「来る日も来る日も働かされた。刑務所は年間1千万ドルの利益を儲けている」。さらに収監者たちはモルモットのように、薬品会社の新薬開発の治験を受けさせられているという。

 中国刑務所の闇の現実を広く世に伝えるため、ニュージーランドで活動を展開し始めた。収監者が製造する商品を扱う会社も、インターネットで暴露している。

 自宅は事件の被害者への慰謝料のため、妻が売り払った。母親は釈放の数カ月前に他界し、父親も事故死している。将来は不透明だが、これだけは心に決めている。「二度とあの地を踏むことはない」

 (翻訳編集・叶子)
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