懸念される馬英九・台湾国民党党首の反日言動

2006/07/09
更新: 2006/07/09

【大紀元日本7月9日】台湾国民党馬英九党首は7月10日に来日、国会議員との会談のほか、朝日新聞社、毎日新聞社の独占インタビューを受け、外国人記者クラブでの講演および日本の主要メディアが主催する座談会に参加する。次期総統候補としてアピールすると同時に、政権奪還を期し、日本政界との繋がりを強化する姿勢が伺える。

一方、政府は、馬党首を政府高官として接待するが、仮に2008年に台湾総統に当選した場合、反日政府が出来上がり、台湾海峡両岸に対して不安要素をもたらすであろうと懸念している。

自由時報の報道では日本のある上層部官僚の発言を取りあげた。その官僚は、日本の外交政策は、即ち民主および人権であるとし、台湾海峡両岸の情勢において、民主を広げることが最重要である考えを示した。日米同盟を支持する台湾民進党に比べ、馬党首の姿勢が懸念されるという。また、昨年10月、馬党首が国民党中常会で、靖国神社の参拝は軍国主義である声明を発表したことに対し、同官僚は「比較対象が重過ぎて、受け入れられない。靖国神社に先祖および親友を祭っていることもあり、参拝は先人を追悼することに過ぎず、軍国主義の復活とは関係ない」と主張した。

日本側は、馬党首が訪米時に、台湾が日米中と同等な関係を保つべきとの主張に対して、台湾が中共に傾いてしまえば、日米同盟が台湾の協力を失い、台湾海峡両岸の安定が懸念されるとの見方を示している。

6月下旬に、米前アジア太平洋局次官シェフレイ氏、駐タイの前日本大使・岡崎久彦氏および国安会副秘書長・蔡明憲氏等が、東京で開催された日米台三ヶ国戦略会談で、台湾政局の変化に言及した。馬英九党首は訪米後でも、軍備購買案に反対し続けたことで、同会談の参加者から、不可解であるとの意見が示された。

一方、日本側が憂慮する馬党首の反日言動に対し、同党首は7日に、日本の国会議員との会談および国際メディアを通じて説明を行う意向を示した。

馬党首は、反日感情を抱いている印象を日本側に与えた主な原因は、尖閣諸島に対する立場を固持することと、国民党の中央庁舎の外壁に抗日戦争時の台湾英雄の肖像を掲げたからだと分析した。

馬党首は、尖閣諸島について、理性を持って平和的な方法にて解決することを望むとし、抗日英雄の肖像については、当時の台湾および中国との連結を説明する目的であり、抗日の歴史を強調するものではないと説明した。しかし、馬党首は、日本が犯した罪は許すことはできるが、忘れてはならないと立場を表明した。

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